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伝説番組『スター誕生!』 年10回の地方大会は120名のスタッフが大移動

『スター誕生!』のディレクター、プロデューサーであった金谷勲夫氏

『スター誕生!』のディレクター、プロデューサーであった金谷勲夫氏

 1971年から1983年まで、12年間続いた伝説のオーディション番組『スター誕生!』(日本テレビ系)。そのすべてにディレクター、プロデューサーとして関わった金谷勲夫氏に舞台裏を聞いた。(前後編の前編)

最初のスターはイケメン作曲家?

「タレントを発掘する日本一の番組を作ろう──。それが僕らの合言葉でした」

 1971年、入社5年目の金谷は総勢30人の日本テレビ音楽班の先輩・同僚と新番組の立ち上げに奔走する。

「それ以前にもオーディション番組はありましたが、いずれもゴールデンタイムの放送で長続きしなかった。ずぶの素人をスターに育てるには時間が必要ですから、すぐに打ち切られては意味がない。そこで視聴率をそれほど求められない、日曜の午前11時という枠でやることになったわけです」

 企画会議には当時、放送作家としても活躍していた阿久悠も参加。議論の結果、全国どこからでもハガキ一枚で応募できて、審査の過程をすべてオープンにする、画期的な選考システムが採用される。

 さらにNTV音楽委員会を作り、番組に参加してもらうプロダクションやレコード会社を審査。日本テレビが「この会社なら安心して預けられる」と判断した約60社に決戦大会の案内状を出す。

「オーディションはいわば就職試験ですから、合格者を引き受けてくれる会社はきちんとしたところでないと困る。参加社には『2年間は会社として精一杯のフォローをしてほしい』と依頼しました。

 もちろん僕らも社を挙げてバックアップ。デビューした暁には『スタ誕』や『紅白歌のベストテン』の新人コーナーに4週連続で登場してもらい、ほかの番組でも優先的にキャスティングしたんです」

 司会はコント55号で人気絶頂の萩本欽一に懇願。審査員には阿久のほか、声楽家の松田トシや作曲家の中村泰士らが起用された。

「番組が始まってすぐに阿久さんから推薦されたのが当時23歳だった都倉俊一さん。審査員には若すぎるんじゃないかという声もあったけど、そのうち収録会場に『頑張れ! 都倉俊一』という横断幕が掲げられるようになった。だから『スタ誕』から生まれた最初のスターは都倉さんなんです(笑)」

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