ライフ

小中学生のワクチン接種をめぐる大混乱 修学旅行や受験に影響必至か

中学生を対象に行われた新型コロナウイルスワクチンの集団接種(イメージ、時事通信フォト)

中学生を対象に行われた新型コロナウイルスワクチンの集団接種(イメージ、時事通信フォト)

 日本を含めてアジアは、欧米ほどの強硬で広範なワクチン反対運動がないおかげで、出遅れた新型コロナウイルス感染症対策で大きく巻き返したと海外紙では報じられている。とはいえ、ワクチン接種をめぐる人々の動揺は今も大きく、とくに未成年者への影響が極端な形であらわれている。ライターの森鷹久氏が、12歳以上の未成年、特に親の同意書が必要な16歳未満の小中学生とその周辺で起きている、ワクチン接種をめぐる混乱についてレポートする。

 * * *
「自宅に子供用ワクチンの接種券が届き、ギョッとしました。そうか、12歳から打てるのかと。しかし、子供にどう説明したらいいのか、わかりません。子供だって日々のニュースを見ているし、インターネットを使って情報を得ているんですよ」

 千葉県在住の会社員、中田俊哉さん(仮名・40代)の家に、小学6年生の娘(12)用の「ワクチン接種券」が自治体から送られてきたのは夏の終わり頃だった。医療従事者である妻は6月には2度のワクチン接種を終え、自身も「職域接種」でやはり接種を終えていた。

 妻はファイザー製のワクチンを、中田さんはモデルナ社製のワクチンをそれぞれ接種し、2度目を終えた時点で、高熱や頭痛などの強烈な「副反応」が出たのは、中田さんだけだった。

「正直、ワクチン接種については色々と言われてますから、接種前は不安もありました。それでも、仕事を続けるためには摂取は避けて通れないと感じ、妻と二人で相談し、思い切って打ったんです。副反応もかなりキツかった。だから、これを娘になんて、到底考えられなかったんです」(中田さん)

 ワクチンに関して、接種後に軽度の「心筋症」の恐れがあるなどとも報じられていて、いわゆる「反ワクチン」ではなくとも、接種自体に不安を感じている人は少なくない。今が良くても、例えば5年後、10年後に、何らかの「弊害」が出るのではないか、などと、ネット上のあらゆるところで「議論」されている。

 大人でも躊躇するワクチン接種である。子供に打たせて良いものなのか。これは、今まさに多くの親たちが密かに抱いている悩みだ。

「夏休み明けごろから、保護者の皆さんからこっそり相談される事例が相次ぎました。打たせた方がいいのか、みんな打っているのか、そして『先生は打ったのか』と。子供達の間でも『ワクチン』は話題になっていて、学校としても、正しく対処すべきだと話し合いを続けているんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト