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三吉彩花が監督デビュー 作品に込めた「日常の小さな変化」の大切さ

三吉彩花

監督に初挑戦した三吉彩花

 9月17日より公開中のオムニバス映画『MIRRORLIAR FILMS Season1』が話題だ。本作は、山下敦弘(45才)や安藤政信(46才)ら注目のクリエイターが監督を務めた9つの短編から成る映画制作プロジェクト。そのうちの1つ、『inside you』で初めて監督を務めた女優でモデルの三吉彩花(25才)に、作品に込めた思いや見どころを聞いた。

 * * *
 映画『犬鳴村』で主演を務め、Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』など話題作にも多く出演している三吉。今年25才になり、知的な美しさと表現力にますます磨きをかけ、近年は中華圏でも高い人気を誇る。元々監督業に興味があったわけではないというが、なぜ今回、新しい挑戦として映画監督を選んだのか。

「自分の思考や世界観みたいなものを、モデルや役者とは別の形で表現するということ自体にすごく興味があったんです。どんな形で表現できるだろうと思っていた時に、今回『MIRRORLIAR FILMS』プロデューサーの伊藤(主税)さんに声をかけてもらいました。

 伊藤さんとは以前、映画『Daughters』でご一緒したことがあって、その撮影中に『役者とは別の形で何かを作って表現してみたい』というお話をしていたんです。そのことを覚えていてくださったようで、今回のプロジェクトに呼んでくださいました」(三吉、以下同)

 三吉の『inside you』は12分の作品だ。脚本、主演はともにオーディションで選び、2日かけて撮影したという。アルゼンチンの映画監督ギャスパー・ノエや、蜷川実花が好きという三吉だけあって、色彩と映像美にこだわり、セリフを極限まで抑えたポエティックな一本となっている。

「脚本は、私の中にあるイメージをキーワードの形にして、それを元に募集をかけて選ばせていただきました。何人かの方に実際にお会いして、相羽咲良さんにお願いしました。相羽さんとは決定稿になるまでとことんやり取りを重ね、私が考えていることを投影してもらいました。

 ただ、行動に意味を持たせた分、セリフがとても少なくなり、一つ一つの描写が言葉で丁寧に描かれているような台本ではなくなりました。なんでここでこういう行動に出るのか、どうしてここでこういう描写になるのかが分かりにくいんですよね。演者にとっては難しい台本だったと思います(笑い)。私だったら監督に理由を聞きたくなるような台本なんですが、主演の山口まゆさん(20才)は脚本の意図を細かくつなぎ合わせて、丁寧に解釈してくださいました」

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