財務官僚は麻生氏のことを自宅の所在地をとって「松濤」と隠語で呼び、同省幹部たちは現在も重要事項は松濤の意向を伺うと言われる。麻生側近が語る。
「麻生さんは自分を体よく副総裁に棚上げし、財政再建派から変節してバラマキに走る岸田総理のやり方に怒って揺さぶりに出た。財務官僚たちも、たとえ総理の指示であろうと、実力者の麻生さんの後押しがあれば数十兆円規模の財政出動を〝金がない〟と突っぱねることができると意を強くしている」
そうなれば、岸田首相は公明党が望む現金給付も二階派懐柔のGo To再開もできずに政権運営に行き詰まることになる。
総選挙の後には「松濤の乱」が首相を待ち受けているのだ。
※週刊ポスト2021年11月5日号