東京競馬場

人の思いをのせて走る

 続けて注目すべきはその内容。父が4着以下の時の後先では息子が22回も上回っているが、2着の数では父17回に対して息子は10回、3着15回に対して6回。馬券圏内への執念を息子に見せつけているようで、ファンから見れば何よりの騎手教育に思えてしまう。父の今年の勝率は.079だが、息子とのレースでは.115、同様に連対率.162は.224、3着内率.252は.320とすべて大きく上回っている。

 同じレースに乗って父が1着になった時は平均3.875番人気。そういえば30日4レースも単勝20倍の9番人気で、3.1倍2番人気の息子を退けていた。

 今週日曜日のアルゼンチン共和国杯で息子は2連勝中のフライライクバードに騎乗予定。対する父は息子が一度だけ騎乗して勝たせることができなかったロードマイウェイに騎乗。その他10レース、12レースでも”親子対決”が組まれている。父の気概を馬券検討に生かすのはどうだろうか。

●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。

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