12人に減った石破派
そこで総裁選の後も自分を支持してくれた議員を集めた会合を続け、「次」をにらんで「野田グループ結成」を目指しているが、「野田グループにするにはメンバーが躊躇する。派閥に所属している議員は親分の許しがなければ政策集団には参加しにくい」(同前)という。そこで親分の二階氏を口説く必要があった。
二階氏の“お墨付き”があれば、野田グループの旗揚げに弾みがつくはずだった。ところが、である。総選挙の結果はそんな野田氏にとって厳しいものだった。
自民党全体では善戦したとはいえ、野田氏の推薦人(衆院は10人)は2人が引退したうえ、二階派の神谷昇氏(大阪18区)、出畑実氏(比例南関東ブロック)、福井照氏(比例四国ブロック)、無派閥の木村弥生氏(京都3区)らが次々に落選して衆院はわずか4人しか残らなかった。グループ結成には大きな痛手だろう。野田氏に近い自民党閣僚経験者が語る。
「総選挙では石原派が会長の石原伸晃氏と会長代行の野田毅氏らが落選して派閥解体の危機、石破派も12人に減って存続が危ぶまれている。石原派にも石破派にも野田シンパがいるから、野田としては両派からこぼれた議員を勧誘して落選した推薦人の分をカバーするしかないのでは」
主を失った、あるいは主が力を失った“残党”を集めきれるか。悲願のグループ旗揚げはまだ先が長そうだ。