(写真/GettyImages)

高齢になっても社会を支える貴重な働き手として活躍できる(写真/GettyImages)

 運動も欠かせない。食事量を減らすのが嫌な人は、運動量を増やすことでサーチュイン遺伝子を活性化できる可能性がある。

「1日30分程度の有酸素運動と、20分程度の筋トレを行いましょう。筋トレと言っても、つま先立ちやスクワットのような簡単なことでいい」(古家さん)

「サプリさえのんでいれば若返る」といった安易な長寿法はないことを肝に銘じたい。

“寿命格差”という新たな社会問題

 高齢になっても元気に働ける人々が増えることで、国の社会保障費用は大幅に削減され、もっと別のことにお金を使う余裕ができるかもしれない。「社会が健全な方向へ向かう可能性がある」と話す一方、こんな指摘もある。今年1月、老化細胞を除去する薬「GLS1阻害剤」の開発を発表し、世界中から注目を集めた東京大学医科学研究所教授の中西真さんはいう。

「人類が老いを克服し、いつまでも健康に長生きできるようになったとき、『子供の必要性』を感じない人が増えるのではないかと懸念しています。親の面倒を見るために子供を産むわけではありませんが、いまより老後の心配が減るわけですから、子供をつくるモチベーションがどこまで維持できるのか心配です」

 また、「命の沙汰も金しだい」が現実になるだろうと早野さんは言う。

「最新技術で寿命を延ばすには費用がかかる。経済力の差によって“寿命格差”が生じる可能性があります。カップルが寿命の差を理由に結婚を反対されたり、家庭の方針で“うちは短く生きる”と、親が子供の寿命の決定権を握るなど、寿命の差で人々のライフスタイルがまったく異なる世界になるかもしれない」

「超長寿社会」は、想像以上に近い将来の話。5年後にはここで紹介した技術が実用化され、120才まで生きる人が急増しているかもしれない。寿命が延びたとき、老いのない世界をどう生きていくのか考える必要がありそうだ。

※女性セブン2021年11月11・18日号

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