(写真:小倉雄一郎)

『サ道』で水風呂の魅力に開眼(写真:小倉雄一郎)

「サウナで体を動かして仕事になるって最高!」

 両親の影響で小さな頃からサウナ好きだった鮭山だが、水風呂はずっと苦手だった。しかし、サウナーにとって「聖典」とも言える漫画『サ道』(著:タナカカツキ)をきっかけに水風呂の魅力にも開眼し、毎日のようにサウナに入る生活を送るようになった。

 いちサウナ好きに過ぎなかった鮭山が「熱波師検定」を受けようと思い立ったのは、「サウナも好きだし、体を動かすのも好き。サウナで体を動かして仕事になるって最高じゃん!」というシンプルな動機だったという。熱波師検定では、サウナの種類や入り方といった座学と、バスタオルの使い方などの実技を学ぶ。実際のところ、サウナ室内でアウフグースを行うにあたって資格は必須のものではない。だからこそプロ熱波師として、鮭山はアウフグースにこだわり抜く。

「私の場合、お客さんの表情や汗の出方などを観察して、ひとりひとり風の送り方を変えています。あとタオルは生地や大きさが違う4種類を使い分けています。最初の撹拌は小さめで振りやすいタオル、パフォーマンスを見せるのに適したタオル、お客さんにダイレクトに蒸気を落としたいときのタオルのように1回のアウフグースイベントの中でも使い分けています。

 施設によってストーブの位置も蒸気の回り方も異なるので、そのぶんアウフグースのやりやすさも変わります。だから初めての施設でアウフグースを行うときは必ず下見して、『このサウナ室はこのへんに蒸気が溜まりやすいから、こう仰いで撹拌しなきゃ』といったことを事前にチェックします。そういった部分は検定で学ぶというより、経験の積み重ねでわかっていくことなので、私もまだまだ勉強中です。ベテラン熱波師の方々は、もう蒸気が目で見えているとしか思えません(笑)」(鮭山)

(写真:小倉雄一郎)

「ベテラン熱波師は蒸気が目で見えているとしか思えない」(写真:小倉雄一郎)

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