スポーツ

新外国人、FA、トレード全て失敗の巨人 原辰徳「全権監督」の責任は

編成面も含めて「全権」を持つと言われる原辰徳監督(時事通信フォト)

編成面も含めて「全権」を持つと言われる原辰徳監督(時事通信フォト)

 シーズン3位からの下剋上を目指した巨人は、クライマックスシリーズ(以下CS)ファイナルでヤクルトに完敗。2021年の戦いが終わった。セ・リーグ3連覇を目指した今季、8月29日には首位に立ったが、9月3日からの阪神3連戦で2敗1分と負け越して4日に首位陥落。それ以降は大失速し、原辰徳監督は通算15年目で2度目のシーズン負け越しとなってしまった。

 原監督は積極的に選手を代え、2ストライクと追い込んだ段階での投手交代など“動く野球”を見せてきた。采配のみならず、補強でもオフだけでなくシーズン中も活発だったが、今年はことごとく上手くいかなかった印象だ。

 新外国人のテームズは出場1試合目にアキレス腱断裂で帰国。スモークは阪神との通算2000試合目で逆転3ランを放つなど34試合で7本塁打と活躍して5番・ファーストに定着するかと思われたが、新型コロナウイルス感染拡大で家族の来日の見通しが立たないために退団を申し出た。9月に来日したハイネマンは10試合に出場したが、打率1割6分と奮わず、体調不良のために母国へ戻った。DeNAからFA(フリーエージェント)で加入した2人も期待に応えられなかった。梶谷隆幸はケガを繰り返して61試合出場に留まり、井納翔一はわずか5試合の登板で1勝も挙げられなかった。プロ野球担当記者が話す。

「新外国人が3人揃ってシーズン中に帰国するのは異例事態です。ただ、巨人の新外国人が活躍しないのは例年通りとも言えます。FAの2人の成績もある程度予想できた。梶谷はDeNA時代からケガの多い選手でしたし、井納も毎年5~6勝の投手。さすがに0勝で終わるとは予想以上の期待外れだったとは思いますが……」(以下同)

 トレードでは3月に左投手の田口麗斗を放出し、ヤクルトから大砲候補として廣岡大志を獲得した。

「廣岡は、坂本勇人のバックアップ要員としての役割に加え、将来的な成長を見込んで目をつけたのでしょうから、まだ評価を下す段階にはありません。しかし、中継ぎも先発もできる左の田口を手放したのは本当に痛かった。9月から中4、5日で先発ローテーションを回しましたが、シーズン前から構想があったのなら、なおさら田口を出すべきではなかった。継投全盛の現代では中継ぎが何人いても困ることはない。特に今年の巨人は何度もマシンガン継投をしたわけですから」

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン