炭谷がいれば投壊に歯止めを掛けられたか
7月には楽天に炭谷銀仁朗を金銭トレードし、8月には日本ハムから中田翔を無償トレードで譲り受けた。
「中田の件は散々言われていますが、加入してからチームの空気が変化したように感じます。実際、チームも失速していった。それと同じくらい、炭谷の放出は痛かった。昨年までの連覇は要所で起用された炭谷のリードが大きかった。戸郷翔征の成長に一役買いましたし、大城卓三や小林誠司にとっては生きた教材として捕手の勉強にもなっていたはず。ガタガタと崩れていった後半戦、炭谷がいれば投壊に歯止めを掛けられたのではないかと思います。
3つのトレードはいずれもマイナスに働いたと言わざるを得ない。全権を持つと言われる原辰徳監督の編成面での責任が問われるべきでしょう」
補強で失敗を繰り返した原巨人だが、今オフはどうなるか。またこれまでのようにFA補強に乗り出すのだろうか。
「今まで巨人はFA補強中心にチームを構成してきました。しかし、近年は大物の移籍も減っていますし、FAで来る時点でベテランの域に達しているので、短期的な視点でしかチームを作れない。毎年FA選手を獲得すれば若手の成長を阻害してしまう。
今は誰もが巨人に憧れて移籍するような時代ではないし、これからその傾向がさらに強まってくる。FAに頼ることをやめて、我慢強く自前の選手を育てる方針に切り替えたほうがいいのではないか、と考えるファンも少なくないでしょう」
一部では「今オフの巨人はFA戦線に不参加」とも報じられているが、はたして──。