マクドナルドの新CMで意味深な表情を見せる剛力彩芽(写真/マクドナルド公式YouTubeより)
剛力さんに失恋の歌とくれば、否が応でもZOZO創業者の前澤友作さんとの交際が思い出されてしまう。グローバルなデートの様子がインスタグラムなどにアップされるなど、一時は世間を賑わせていた2人だが、その関係は破局に終わった、とされている。だから、CMで見せた彼女の泣きそうな微笑みや絶妙な表情に、ついついその時の彼女の気持ちや悲しみや辛さ、切なさなどを想像し、勝手に感情移入してしまった。
最後は窓ガラスに思い切り息を吹きかけ、白く曇るガラスとは対象的にすっきりと明るい笑顔を見せるから、「区切りを付けて前を向いたのだな」と思わせてくれる。
彼女の別れを知っているからこそ、『冬の稲妻』の曲に乗せて多彩に変わっていく表情に「共感性」を刺激され、切ない気持ちがひしひしと伝わってきたのだと思う。そして、これがこのCMの隠れた狙いだろう。人々が既に知っている情報を逆手に取って共感性を呼び起こし、新商品にインパクトを与えるという戦略ではないだろうか。
ただ、実はこのCMの本当のストーリーは、想像したものとはまるで違う。オーディションに落ちてしまった舞台女優の剛力さんが、「新マックフルーリーブラックサンダー『冬の稲妻』」を味わうことで、落ち込む気持ちが元気に前向きになるというのがマクドナルドが描いたストーリーらしい。
確かにそんな風にも思えなくもないが、聞こえてくる曲のフレーズの影響も大きく、やはり彼女の過去の恋愛に重ね合わせ見てしまう。個人的にはその方が剛力さんの表情がより豊かに生き生きと感じられ、心境の変化が細やかに映し出されている気がする。
この原稿を書いていると、なんだかあんな笑顔でほっこりしたくなってきた。心を撃ち抜くおいしさのひんやりスイーツとやらを味わいに、駅前まで行ってみよう。
振り返り、背中まで見せる
前澤氏とは破局したという