ミュージシャンと結婚した経験のある薬師丸ひろ子
そういうタイプの女性が周りにたくさんいる男性ミュージシャン側としてみたら、まぁまぁ、「パラダイス」。複数の女性ファンとそういう関係になったとしても、後腐れがない時代はあったものです。
そういう女性とミュージシャンが結婚するという話は、あまり聞いたことがなく、女性側にとっては「勲章」のような、いい思い出になって、おしまい。あるいは、スタッフとして、そのミュージシャンに仕える道を選ぶ女性もいらしたものです。
ただ、いまは、トラブルに発展してしまうことが多い。それも時代です。
それにしても、なぜ、ミュージシャンと、その周りにいる女性とは、そういう結末を迎えてしまうのか。そこにはミュージシャンならではの事情があるのでした。
ファン、彼女、妻がマウントをとりあう恐ろしい光景
まずは、往年のミュージシャンらが「旅」と呼ぶ、ツアーの存在です。メインのグループメンバーと、サポートメンバーを含めると、けっこうな大所帯で全国を移動するミュージシャンの周りには、「呼ばれる女たち」の存在があります。ツアー先では、そうした女性たちのバトルが繰り広げられていて、私には何度か、そういう場面を見たことが……。
舞台は「打ち上げ会場」。ライブ会場のもっとも広い楽屋や打ち合わせ室などで行われ、そこには、「ミュージシャンの女たち」が大集合しているのです。
監視の意味もあるのでしょうか。奥さまが付いてくる(苦笑い)ミュージシャンもいて、当然、奥さまは、そこに挨拶にみえる女性の業界関係者や、打ち上げ会場に入ってこられるファンに目を光らせています。
奥さまではなく、メンバーやスタッフ公認の彼女を招くミュージシャンもいて、その彼女もまた、別の女性に目を光らせたり、いわゆるマウントをとってきたりと、それはかなり恐ろしい光景です。
そうした中に、ポンと女性有名人が入ってきて、“実は私は彼女なんです光線”を放っているのを何度か見たこともありました。
こうした中で、有名なミュージシャン夫婦から夫を略奪した女性アーティストがいたり、メンバーのみが知っている有名人の彼女がグループの既婚ボーカルと略奪婚したりしたことも芸能史には刻まれていますよね。
また、そういう有名女性の奔放な行動は、長年、そのミュージシャンの傍らで支えていたレコード会社のスタッフ女性や、プロダクションのスタッフ女性からも、“夫”や“フィアンセ”を奪っていったものです。