●すべての学部がそろっている
以上のことなら日本大学の付属校に限らず、ほとんどの大学付属校が志望者を増やしてもよさそうであるが、ここにもう1つの理由がある。小学校6年生の段階で付属校を選ぶということは進路の幅を狭めてしまうという心配をほとんどの保護者がしている。
その点で、一般的な社会科学系、理工系各学部はもちろん医学部、国際関係学部、生物資源科学部、芸術学部までそろっている日本大学は、わが子が将来どのような分野を目指すことになっても対応できるという安心感を持てるのである。
●わが子の学力を考えた時に……
上記のように保護者が考える背景には、当然だが2年なり3年なり塾に通わせて、何回か模擬試験を受けさせて、わが子の学力を客観視できるようになったという事情もある。
公立中学に進ませて高校受験に挑んでも学力的には現状とそんなに変わらないのではないか。「これから高校受験、大学受験と苦労を重ねるよりは付属校に進んだほうが楽しい生活を送れるのではないか」と判断しているケースも多いのである。
以上のようなことが絡み合って、日本大学の付属校に多くの志望者がいるのだが、田中理事長の逮捕・辞任が出願にどう影響するのか注視していきたい。