国内

元マル暴刑事が明かす「刑事の外見がヤクザに近づく理由」

元警視庁暴力団担当刑事・櫻井裕一氏

元警視庁暴力団担当刑事・櫻井裕一氏

 ド迫力のスキンヘッドに、派手な柄ネクタイ、色付きのメガネ。一見すると“その筋の人”かと思いきやその逆。元警視庁暴力団担当刑事・櫻井裕一氏は数々の暴力団関連捜査に携わった元有名刑事だ。当人が、40年近く「マル暴刑事」一筋で過ごした熱い半生を語った。【全3回の第1回】

 * * *
 約2000店もの飲食店(風俗営業含む)がひしめく新宿・歌舞伎町では、1分間に3件もの110番通報が押し寄せる。アジア最大の歓楽街をかかえる警視庁・新宿署は、警察署の規模も日本最大だ。署員は700人を超え、警部以上の幹部も30人以上。管内には、いくつもの広域暴力団の事務所が潜み、近年は外国人マフィアによる事件も頻発するようになった。

 その新宿署で、「マル暴」こと「組織犯罪対策課」の課長を務め、最終的には警視庁本部の「組織犯罪対策部・組織犯罪対策第四課」(組対四課)の管理官まで上りつめたのが、元警視・櫻井裕一氏である。

 代名詞であるスキンヘッド。その見た目には深い理由がある。

「たとえば、喫茶店でヤクザに会う。それを別のヤクザが目にしたとき、私がすっきりした格好だと、『あのヤクザは、デコ(刑事)と仲良くしてやがる』と一目で分かってしまいます。同じ格好なら、ヤクザが2人いるようにしか見えないから好都合なんです」

 櫻井氏は1976年に警視庁に入庁。2018年に退官した後、今年11月にその体験を記した著書『マル暴 警視庁暴力団担当刑事』(小学館新書)を上梓した。

 キャリアのスタートは1977年。警察学校卒業直後に配属された北区・赤羽署だった。今でこそ飲み屋街として知られているが、当時の赤羽は「とんでもなく荒れていた」という。

「ヤクザなんか、交番勤務の制服の警官をナメ切っていましたね。休日に繁華街ですれ違えば『おう、オマワリがこんなところ、来ちゃダメだ』とか、ちょっかい出してくる。暴れている連中を止めに行っても、『制服のくせして、なんだ、お前ら』と歯向かってくるし」

 だが、同じ警察官でも、マル暴だけは別格だった。

「マル暴が来た瞬間、これまで怒鳴り声を上げていた奴らが、『お疲れ様です!』って急におとなしくなって。きっちり頭まで下げて挨拶したのを見て、私は『マル暴になる』と肚を決めました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
沖縄を訪問された愛子さま(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
天皇ご一家が“因縁の地”沖縄をご訪問、現地は盛大な歓迎ムード “平和への思い”を継承する存在としての愛子さまへの大きな期待 
女性セブン
TBS田村真子アナウンサー
【インタビュー】TBS田村真子アナウンサーが明かす『ラヴィット!』放送1000回で流した涙の理由 「最近、肩の荷が下りた」「お姉さんでいなきゃと意識しています」
NEWSポストセブン
バスケ選手時代の真美子さんの直筆サイン入りカードが高騰している(写真/AFLO)
《マニア垂涎》真美子夫人「バスケ選手時代」の“激レアカード”が約4000倍に高騰中「夫婦で隣に並べたい」というファン需要も 
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
家出した中学生を自宅に住まわせ売春させたとして逮捕された三ノ輪勝容疑者(左はInstagramより)
《顔面タトゥーの男が中学生売春》「地元の警察でも有名だと…」自称暴力団・三ノ輪勝容疑者(33)の“意外な素顔”と近隣住民が耳にしていた「若い女性の声」
NEWSポストセブン
田中真一さんと真美子さん(左/リコーブラックラムズ東京の公式サイトより、右/レッドウェーブ公式サイトより)
《真美子さんとの約束》大谷翔平の義兄がラグビーチームを退団していた! 過去に大怪我も現役続行にこだわる「妹との共通点」
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
《「来来亭」の“ウジムシ混入ラーメン”動画が物議》本部が「他の客のラーメンへの混入」に公式回答「(動画の)お客様以外からのお問い合わせはございません」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
6月9日付けで「研音」所属となった俳優・宮野真守(41)。突然の発表はファンにとっても青天の霹靂だった(時事通信フォトより)
《電撃退団の舞台裏》「2029年までスケジュールが埋まっていた」声優・宮野真守が「研音」へ“スピード移籍”した背景と、研音俳優・福士蒼汰との“ただならぬ関係”
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン