ワクチン接種後に死亡した人の男女比、亡くなった人のワクチン接種回数
12月に入り、国民の77%以上が新型コロナワクチンの2回接種を終えた。ワクチン普及もあってか、全国の新規感染者数は8月末をピークに減少傾向が続く。しかしその一方で、ワクチンとの因果関係は不明ながらも、岡本さんの長男のように接種後に亡くなる人がいる現実がある。
12月3日、厚労省の予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会では、ワクチンの副反応が疑われる死亡事例が新たに追加された。
月に2回ほど開かれる同部会では、全国の医療機関などの報告をまとめた「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例」について、専門家による因果関係評価を加えて公開している。今回、新たに加わった事例を含めると、ワクチン接種後の死亡はこれまでファイザー製1331件、モデルナ製56件だった。
この資料には死亡した人の年齢・性別などのほか基礎疾患や服用薬などの情報も含まれている。『週刊ポスト』はそれらを詳しく分析し、図表にまとめた。世界中で広がり始めたオミクロン株の脅威を前に、岸田文雄首相はワクチンの3回目接種は「できる限り前倒しする」と発表した。目前に迫る3回目接種を前に、改めてそれぞれがリスクとベネフィット(利益)を量る材料の一つにしたい。
モデルナは「男性が8割」
まずは死亡者の「男女比率」だ。ファイザー製は男性52.5%、女性46.6%、不明0.9%だったのに対し、モデルナ製は男性83.9%、女性16.1%と男性が多数を占めた。国際医療福祉大学病院内科学・予防医学センター教授の一石英一郎医師が解説する。
「モデルナ製に男性が多いのは従業員数1000人以上の企業を中心とする『職域接種』に使われた影響と考えられます。働く女性が増えたとはいえ、大企業の社員は男性のほうが多い。一方、ファイザー製を打った高齢者は基本的に女性のほうが多く、医療従事者にも看護師など女性が多い影響が考えられる」