「怒る」のはZ世代にとっては「ヒエラルキーを実感するだけ」になる(写真はイメージ)
Z世代が「かわいい上司」を求めるようになった背景については次のように説明する。
「昭和や平成の時代は、若い社員にとっての上司が、自分を評価する人たちであり、引き上げてくれる人でもあり、ある意味“染まらなくてはいけない存在”でした。もっと言えば、上司に染まらず気に入られなければ、人事などで冷遇される時代でした。
しかし、我慢していればいつか美味しい思いをさせてもらえる、という期待もできなくなり、もらえるかどうかも分からないご褒美を我慢してまで待つ必要はない、という感覚がZ世代を中心に広がっています。そういった“ニンジン(ご褒美)”の代わりに、彼らは自分らしくいられる居心地の良さを求めるようになったのです」(原田氏)
Z世代が言う「かわいい上司」の条件のひとつに「怒らないこと」があると原田氏は続ける。
「『かわいい上司』には、やっぱり“怒る”っていう要素は存在してはいけないと思います。会社という場では、どうしても部下と上司というヒエラルキーが存在します。そういった場での“怒る”という行為は、ニンジン(ご褒美)があった時代には耐えられたけれども、Z世代からしたら、何の得もないなかでただただヒエラルキーを明確に体感する出来事でしかないのです」
いくら「かわいい上司」をZ世代が求めているからと言って、「かわいさ」を演出することに抵抗を感じる人もいるも少なくないだろう。