芸能

急逝の神田沙也加さん、後輩声優に伝えていた「プロとしての心構え」

ミュージカル『レ・ミゼラブル』製作発表での沙也加さん(2008年撮影)

後輩声優にさまざまなことを伝えていたという神田沙也加さん(ミュージカル『レ・ミゼラブル』製作発表での沙也加さん。2008年撮影)

 女優の神田沙也加さんが12月18日、札幌市内のホテルから転落し、搬送先の病院で死亡が確認された。神田さんはミュージカル『マイ・フェア・レディ』の札幌公演に出演中で、来年4月にはミュージカル『銀河鉄道999 THE MUSICAL』にヒロイン・メーテル役で出演が決まっているなどミュージカル女優としての地位を確立していた。一方で、無類のアニメ・ゲーム好きだった神田さんはたびたび声優としても活躍し、共演した後輩に助言を惜しまず、愛されていた。

 神田さんを知るアニメプロデューサーが語る。

「神田さんはもともと『アニメやゲームの声優になりたかった』と公言するほど思い入れが強く、出演する作品には愛を込めることで知られていました。2014年に大人気ゲーム『ダンガンロンパ』の舞台で作品上の重要人物・江ノ島盾子を演じたのですが、同作品の大ファンだった神田さんはゲーム版の声優に演技指導を頼みこむなどして、それ以外の仕事を断わるほどの熱量を注ぎ込んだ。日常生活でも江ノ島の口調が抜けきらなかったと聞いています。

 非常に難しい役柄だったのですが、神田さんの好演にファンからは『江ノ島様が降臨した』と大好評で、舞台のシリーズ化が決まったほどです。制作側も神田さんへの敬意から、ゲームの続編では主演キャラの声優を用意し、アニメシリーズでも主題歌を歌ってもらっています」

 多忙なだけにアニメ・ゲームへの出演数はそれほど多くなかったが、出演すれば必ずファンに愛されるキャラクターを作り上げてきた。2017年2月に公開された人気アニメ『ソードアート・オンライン』の映画ではゲスト声優として出演しているが、今回の急逝でSNS上には〈ユナ(神田さんが演じたキャラクター名)の声がもう聞けない、、そう思うと涙が〉〈ユナの神田さんの歌声が好きでした〉と追悼のコメントが相次いだ。

 神田さんの最後のアニメ出演となったのは2021年1月から放送されていたテレビアニメ『IDOLY PRIDE』。新人アイドルがトップを目指すストーリーで、神田さんは不慮の交通事故で亡くなった伝説のアイドル役として出演している。同作に出演した声優の一人が語る。

「この作品はアニメだけでなく、漫画、ゲーム、ライブなどメディアミックスで展開するため、時間がとりやすい新人声優がほとんどでした。未成年のキャストや、この作品が初めての“名前有りキャラクター”という子もいます。それでも、沙也加さんは一回り以上歳が離れていて右も左も分からない私たちを常に笑顔で率いてくれました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン