五輪組織委会長だった森喜朗氏は「女性がたくさんいる理事会は時間がかかる」と発言して辞任に追い込まれる(写真/共同通信社)
地域社会で円滑な人間関係を築ける男性は、リタイア前の“助走期間”に共通点があるという。
「今は人生100年時代で、65歳のリタイア後も人生はもう1ラウンド20~30年続きます。そこにソフトランディングするかハードランディングするかは大きな違いです。
ソフトランディングする人たちの共通点は、現役時代からちゃんと人間関係のマルチチャンネルを作っている。企業というのは軍隊のような指揮命令系統の組織ですが、それとは関係ない人間関係を築いています。そういうことができる男になるには、ルッキズムのように人間を一元尺度で序列化する認識を持っていてはダメでしょうね」
それでもあなたは「美人」と言い続けますか──上野氏はすべての男性にそう問いかける。
【プロフィール】
上野千鶴子(うえの・ちづこ)/1948年生まれ。東京大学名誉教授、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長。著書に『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』『在宅ひとり死のススメ』などがある。
※週刊ポスト2022年1月1・7日号