ドリフと言えば、この場面とこの背景を思い浮かべるかたも多いだろう。ドラマのために当時のセットを再現。この収録を高木ブーは現場で見ていたという(写真/フジテレビ提供)

ドリフと言えば、この場面とこの背景を思い浮かべるかたも多いだろう。ドラマのために当時のセットを再現。この収録を高木ブーは現場で見ていたという(写真/フジテレビ提供)

高:志村か、って。

仲:志村でもいいし、誰でもいいんだよ。ドリフのチームにうまく入る人が大切なわけでさ。

高:じゃあ、志村を入れた5人でまた頑張ろうなって。

加:ぼくらも志村さんを迎えた5人のチームワークとして、『8時だョ!全員集合』時代のネタ会議や楽屋の様子を撮りました。待ち時間の過ごし方にも個性があって面白かったんですが、ドリフさんの中で楽屋からいちばん早く帰られるのはどなたですか?

松:あーっ、ぼくもそこ気になる!

高:3人は早かったな。で、ぼくと長さんが最後。

仲:ぼくら3人はさっさ、さっさと着替えて”おつかれさーん!”って。

高:独身と所帯持ちの違いだよ。

仲:ブーたんは支度が遅いんだって。あと、楽屋の後始末をしてくれるから。最後まで残って、誰かが何か忘れ物をしていないか見てくれる。ブーたんに“ねぇ、あれ忘れてなかった?“と聞けば、たいてい持っていてくれた。たださ、見つけてもすぐ言ってくれないんだよな(笑い)。

高:へへへ。

加・松:あははは!

仲:忘れ物だけじゃなく、“〇〇持ってない?”なんて聞くと、”はいよ“って、大きなかばんからパッと出てきたし。

加:黒いトートバッグですね! ドラマでも出てきます。外側にポケットがたくさんあって、荷物がAからFに仕分けられていました。

高:たとえばAのポケットには爪切り、Bのポケットには綿棒……といった具合に分けて、誰かに爪切りがほしいと言われたら“Aのポケットだよ”と差し出す。近所のかばんやさんに特注して作ってもらって、ずっと持って歩いていたんだ。

加:かばんの仕様は劇中でも忠実に再現してありました。

松:特注のかばんまで作られていたとは。必需品を管理して、4人が帰られたら忘れ物の見回りをされるのが高木さんのご担当だったんですね。

高:加藤の担当は衣装係。ドリフのコントで使う衣装はみんな加トちゃんがデザインしたんだよ。

加・松:へぇ~!

仲:ぼくの担当は見ているだけ。志村といかりやさんは文句を言うだけね(笑い)。

【プロフィール】
高木ブー(たかぎ・ぶー)/現在のザ・ドリフターズのメンバーの中では最年長。ウクレレ奏者としても知られており、先日、「日本武道館に出演した最高齢アーティスト」の記録を更新した。

仲本工事(なかもと・こうじ)/ドリフターズメンバー随一の運動神経を持ち、体操コントではバク転が名物に。現在、東京・目黒で居酒屋『仲本家』を経営中。

加治将樹(かじ・まさき)/大きな身体とコミカルな芝居を武器にドラマ、舞台で活躍中。日本テレビ系ドラマ『二月の勝者−絶対合格の教室−』に出演中。1月28日からは舞台『マーキュリーファー Mercury Fur』の出演を控える。

松本岳(まつもと・がく)/月曜ミステリーシアター『名もなき毒』でデビュー。スーパー戦隊シリーズ「手裏剣戦隊ニンニンジャー」ではアオニンジャー役を好演。以降も話題作で活躍中。

◆志村けんさんの半生を描いたフジテレビ系ドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』が12月27日に放送される。志村けん役を山田裕貴が演じるほか、いかりや長介役を遠藤憲一、加藤茶役を勝地涼、高木ブー役を加治将樹、仲本工事役を松本岳が演じる。ザ・ドリフターズのメンバーに取材を重ねて完成したファン待望の一作となっている。

取材・文/渡部美也 撮影/中村功 写真提供/フジテレビ

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