視聴者に豪華な共演とプレゼントを
今や純粋な正月特番のムードが感じられるのは、元日の朝から夕方までお笑いざんまいの『新春!爆笑ヒットパレード』(フジテレビ)と、駅伝の『ニューイヤー駅伝』(TBS系)と『箱根駅伝』(日本テレビ系)くらいでしょうか。
もともと正月は家族がそろいやすく、「親子や兄弟姉妹でこの番組を見る」という数少ない機会。たとえば、「元日は家族でおせち料理を食べながら、あの正月番組を一緒に見る」などの習慣づけやすいだけに、現在の状況はもったいないように感じます。
また、「ふだんテレビをあまり見ない若年層に、テレビの楽しさを知ってもらう絶好機」「オンデマンドが普及して季節感が失われやすくなっただけに、正月はそれを視聴者に伝えられるチャンス」でもあります。
かつての『新春スターかくし芸大会』(フジテレビ系)、『タモリ・たけし・さんまBIG3 世紀のゴルフマッチ』(フジテレビ系)などが人気を集めていたころに戻るのは難しいでしょう。ただそれでも正月三が日だけの豪華共演や豪華プレゼントなど、華やかなムードで視聴者を楽しませることが、のちの視聴率アップにつながるのではないかとも思ってしまうのです。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。