中森:その意味で、僕は沢口靖子(56)に注目しているんです。映画、2時間ドラマ、そして『科捜研の女』(テレ朝系)と、いつの時代もずっと同じ佇まいで生き抜いているのがすごい。
吉田:確かに、沢口靖子は映画『竹取物語』(1987年)の頃からまったく変わらない。『科捜研』はシーズン21に突入しましたし、20年間も同じ役をやり続ける“維持する力”は見事です。できれば別の作品で、変わらない沢口靖子の新境地が見られたら、それはそれで面白い。
中森:新しい沢口靖子、想像がつかない(笑)。
永島:沢口さんとは何度も共演していますが、お嬢様でもなんでもなくて、話していてとても楽しいんです。ケラケラ笑って。「女優・沢口靖子」のイメージは、周囲が作っている部分も大きいんでしょうね。
中森:そう考えると、東宝芸能の力はすごいですよ。沢口は1984年に東宝シンデレラのグランプリを取ってデビューして、同じイメージを守り続けている。いま大ブレイク中の上白石萌音(23)・萌歌(21)姉妹も東宝シンデレラ出身だし、僕のイチオシの浜辺美波(21)もそう。若手じゃないけど長澤まさみ(34)も東宝シンデレラ出身です。
吉田:たしかに、超豪華メンバーだ。
中森:あとひとり、ネットフリックス関連でいえば、僕にはどうしても今年出てきてほしい女優がいるんですよ。
永島・吉田:誰ですか?
中森:ずばり沢尻エリカ(35)。地上波や大手映画会社での復帰は難しいでしょうけど、ネットフリックスならあり得ます。沢尻がこのまま消えるのはあまりにも惜しい。ネットフリックスならではのとんがった企画なら、彼女は絶対に復活できる。人生の再出発を果たすべきですよ。
吉田:新人からベテラン女優まで、今年の芸能界からは目が離せそうにないですね。
(前編はこちら)
【プロフィール】
中森明夫(なかもり・あきお)/1960年生まれ、三重県出身。アイドル評論家。1980年代から多彩なメディアで活動する。著書に『アイドルにっぽん』『東京トンガリキッズ』『午前32時の能年玲奈』など
永島敏行(ながしま・としゆき)/1956年生まれ、千葉県出身。俳優。1977年に映画『ドカベン』でデビュー。1978年に映画『サード』ほかで第5回日本アカデミー賞主演男優賞を受賞。映画、ドラマで活躍中
吉田潮(よしだ・うしお)/1972年生まれ、千葉県出身。法政大学卒。コラムニスト。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。テレビ番組のコメンテーターも務める
※週刊ポスト2022年1月14・21日号