芸能

《大泉洋とは何者か?》「彼には裏表がない」監督・共演者が語る人間性

現場では柳楽の“師”として演技を引っ張った(『浅草キッド』Netflixにて全世界独占配信中)

現場では柳楽の“師”として演技を引っ張った(『浅草キッド』Netflixにて全世界独占配信中)

 昨年末のNHK紅白歌合戦で2年連続となる司会を務め、今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝を演じる大泉洋(48)。笑えるシーンもありつつ、時折見せる冷酷な表情に初回から多くの視聴者が引き込まれた。どんな役も違和感なく演じきる怪優の素顔を、監督・共演者の証言から明らかにする。【前後編の後編。前編はこちら

 * * *
 小松菜奈(25)演じる女子高生がバイト先のファミレス店長(大泉洋)に恋をする設定の映画『恋は雨上がりのように』(2018年)の監督・永井聡(51)は、俳優・大泉洋の魅力をこう語る。

「ふだんニコニコしている俳優さんほど、現場ではストイックで寡黙になる人が多い。でも彼は現場に入ってもそのままで、ずっと喋っていました。若い演者たちを緊張させずに楽しませたいと思ったらしく、休憩中もギャグを言って和ませ、雰囲気作りからやってくれる。若い子たち同士で固まってきゃあきゃあ言い合っている時はまるで仲間はずれのおじさんみたいで、たまに会話に入れてもらえるとめちゃくちゃ嬉しそうな顔をするんです。『入っていいんだ、俺』みたいに(笑)」

 映画公開時には、こんなエピソードがあったという。

「北海道の劇場の初日の客入りや、観客が映画のどこで笑っていたかをずっと気にしていました。『あそこのシーン、ウケてた?』とスタッフに聞いて、『いや、ウケてませんでした』と返されると『そっか~』って(笑)。素朴に北海道の人に認めてもらいたがっているようで、もしかしたら彼はまだ北海道から出てきたまんまの彼なのかもしれません」(同前)

 そんな大泉の「北海道愛」について、彼がレギュラー出演した深夜番組『水曜どうでしょう』(1996~2002年、北海道テレビ)のディレクター・藤村忠寿(56)は「これがさあ、あいつのうまいところでね。北海道愛を演じているんですよ。見てたらわかる」と爆笑する。

「普通の立身出世はある意味故郷を捨てて、故郷に嫌われても中央で成功するのがセオリーでしょう。でも大泉洋は違う。『自分は北海道を本当に愛しているのに、中央に呼ばれちゃったから仕方なく行っているんですよ』と。そう演じれば、地元の人も彼のことを愛してくれる(笑)。あいつの計算ずくはテレビに初めて出た時からずっとなんですよ。もっと言うと本能なんだろうね」

 女優の筧美和子(27)は、『東京喰種 トーキョーグール』で共演した際、思いがけず応援してもらった思い出を話す。

「私が間違えて大泉さんの台本を持って帰ってしまったことがあったんです。そのことを打ち上げの場で謝罪したら、気さくに接してくれて『今後、お芝居とかやっていこうと思っているの?』と。『やりたいです』と言ったら、『見守ってます』と背中を押してくれました」

 そんな愛されキャラの大泉を藤村はまたしても「あいつは全人類に愛されたいやつなんで」と笑いつつこう話す。

「でもね、大泉洋には裏表はないからね。みんなに愛されたいと思っている、天性のテレビタレントだよね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン