激変に向かう角界勢力図
ただ、そこにこれまでになかった要素として浮上するのが“モンゴル出身親方の連携”だ。前出・ベテラン記者が言う。
「モンゴル人力士で最初に帰化して部屋持ち親方になったのは元関脇・旭天鵬(47)の友綱親方。その後は続々と帰化して引退後も協会に残るモンゴル出身力士が出ている。先代の高砂親方(元大関・朝潮、66)の定年後、一門の統帥部屋を継いだのはモンゴル出身の元関脇・朝赤龍(40)。昨年引退した鶴竜親方(36)に加え、現役の照ノ富士(30)、逸ノ城(28)らが次々と日本国籍を取得。年寄株の確保の目途もついているといい、将来的に他国の外国出身親方も含めて2ケタに迫る勢力となるのは確実だ」
そうした勢力をまとめ、元・白鵬の間垣親方が主流派にのし上がろうとしているのではないか──。
「協会執行部にはそうした警戒心があるからこそ、白鵬の力を削ぎ、同世代の稀勢の里をスピード出世させたいのだと考えられるのです」(同前)
「稀勢の里」という四股名は、18歳の新入幕の際に「稀な勢いで駆け上がれ」との願いが込められたものだが、親方として、ライバルを退けて勢いそのままに協会トップの座へ突き進むのか。
※週刊ポスト2022年2月4日号