桂三四郎(時事通信フォト)
途絶えた流派からの復権も期待される。もともと『笑点』は立川談志が司会の『金曜夜席』から始まり、初代司会も談志が務めたが、1969年に談志が番組を降板して以降、「落語立川流」から大喜利メンバーは出ていない。だが、ヨネスケは50年越しの立川流抜擢もあり得ると話す。
「もうベテランですが、立川志らく(58)や立川談春(55)は人気も実力もあるから、メンバー入りの可能性はゼロじゃない。5年後も司会は昇太がやっているだろうから、同期で仲のいい立川志の輔(67)がメンバーになれば、面白い掛け合いが見られそうだね」
江戸落語だけのメンバーに上方落語家が加わり、新たな変化が生まれる可能性もある。
「上方にも有力候補はたくさんいるからね。笑福亭鶴瓶師匠の弟子で、元高校球児の笑福亭べ瓶(39)や、桂文枝師匠の弟子でレスリングの選手だった桂三四郎(39)あたりは有力。彼らがYouTubeに出ると再生回数が急激に増える。昔は東京では大阪弁に違和感があったけど、今はもうない。上方カラーが入ってもいいんじゃないかな」(ヨネスケ)
落語を題材にしたコミックエッセイ『お多福来い来い』(小学館刊)の著者で漫画家の細川貂々氏も、上方落語家のメンバー入りに期待する。
「笑福亭たまさん(47)を推したいです。京大卒のインテリで、落語界全体を俯瞰しながら改革している方。コロナ禍でリモートの『Zoom落語会』を主催したり、従来の笑点ファンだけでなく、より若い世代の視聴者に受ける落語家だと思います。お正月特番の東西大喜利対決がレギュラーで見られたら最高です」
世代交代の中で、親から子へとメンバーの座が継承される可能性もありそうだ。堀井氏が語る。
「例えば最高齢の木久扇師匠が勇退して、息子の2代目・林家木久蔵(46)が黄色い着物を受け継ぐというのもアリだと思います」
決して親の七光りではなく、木久蔵は『笑点』にふさわしいという。
「とにかく明るいキャラクターで、どんな落語の舞台でも木久蔵が出た瞬間に空気が変わる。こんな人はなかなかいません。これは天性に加えて、本人の努力で磨き上げられたもの。木久扇師匠の息子というだけでなく、『笑点』にはうってつけの人だと思います」(堀井氏)
(第3回につづく)
※週刊ポスト2022年2月4日号