「新型コロナによる渡航制限の影響もありましたが、羽生選手自身が“コロナ回避”を最優先。練習拠点としていたカナダには渡らず、地元・仙台のリンクで練習を続けてきました。ただ、リモートで指導は受けています。最高難度のクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)も、羽生選手が動画を送り、それを見たオーサーコーチがアドバイスを送る形で成功を目指しているそうです」(前出・フィギュアスケート関係者)
大技の完成に向けて密に連絡をとる一方で、羽生が自分の判断で大会出場の可否を決めることも増えていた。
「2020年末の全日本選手権では、出場をオーサーコーチには相談していなかった。エントリーを知ったオーサーコーチは驚きつつも、『彼が決めたことなら』と見守りました」(前出・別の関係者)
昨年の全日本選手権にもコーチなしで出場し、2位の宇野に20点以上の差をつけて優勝。4回転半ジャンプは両足着氷となったものの、転倒はせず、北京五輪での成功の可能性を感じさせた。
それまで北京五輪への出場を明言せず、人類初の4回転半ジャンプへのこだわりを口にしていた羽生。五輪への切符を手に入れたことで勝負のスイッチが入ったようだ。五輪の運営にかかわるスケート関係者が明かす。
「開会式の日本選手団の旗手として、羽生選手が有力視されていました。実際に打診があったそうですが、彼は丁重に断った。旗手を務めるという名誉よりも、競技に集中したい、勝ちたいという思いを優先したようです」
また、代表決定後に行われた『日刊スポーツ』(2021年12月28日付)のインタビューでは次のように語っている。
《五輪ってやっぱり発表会じゃないんですよ、勝たなきゃいけない場所なんですよ》
《24、25歳の時に成長が止まったなって思った時期があったけど、僕たぶん、今一番うまいです》
コーチなしで戦う見込みの羽生だが、歓喜の3連覇はなるか。
※女性セブン2022年2月10日号