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MLB名物記者も興奮「新庄がビッグボスで本当にOKなの?」

メッツではピアッツァと交友を深めた(AFP=時事)

メッツではピアッツァと交友を深めた(AFP=時事)

「MLBはアナリティック(データ重視)で結果がすべて。結果を出せばファンは喜び、ダメだとブーイングする。それ以外のパフォーマンスにはあまり関心がないんだ。MLBのチケットは高い。家族4人で行けば、駐車料金や飲み食いを入れて、すぐ500ドルになる。だから選手には真剣で最高のプレーを求める。いい加減なプレーは許さない」

 つまり、新庄の派手なパフォーマンスは、アメリカではあまり評価されていなかったというわけだ。それが、「宗教っぽい野球」を好む日本でこれほど受け入れられたことがヘルナンデス記者には驚きだったようだが、それだけに心配もしている。

「アメリカ球界では『名選手は名監督にはなれない』と言われる。一流選手はみなフィジカル・ギフテッドだが、その技術をそうでない者に教え込むことはできないからだ。日本では巨人の長嶋(茂雄)、王(貞治)、原(辰徳)といったスーパースターが監督になっているが、そこは日米の大きな違いだ。新庄監督も客寄せや親会社のイメージ戦略が見え見えだが、負けが続けばバッシングされる。彼はどうしても勝たなければならない」

ボンズのホームランに本人より喜ぶ新庄(AFP=時事)

ボンズのホームランに本人より喜ぶ新庄(AFP=時事)

 もっとも、破天荒な言動が目立つ新庄監督は、記者会見はじめテレビやブログでも、決して人を傷つけたり、侮辱したりはしない。政治的発言も一切しない。すべてのファンに楽しんでもらおうという気配りは、もしかするとアメリカで身につけたものかもしれない。

「(MLBでは)ファンは王様だ。そしてベースボールとは選手もファンも楽しむものだということだ。ショウヘイはベースボールを楽しんでいるから二刀流もできたし、オールラウンドプレーヤーになれた。イチローさんもそうだった。だから(強打、強肩、瞬足の)イチロー二世・鈴木誠也は引っ張りダコなんだ」

 はっきり言わなかったが、ヘルナンデス記者は、日本の「野球道」もメジャー流の野球観も知る新庄監督が日本球界の変革者になることを期待しているようだった。

■高濱賛(在米ジャーナリスト)

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