スポーツ

MLB名物記者も興奮「新庄がビッグボスで本当にOKなの?」

新ユニフォームの発表でもビッグボスが主役(時事)

新ユニフォームの発表でもビッグボスが主役(時事)

 アメリカのスポーツメディアでも、北海道日本ハムの“ビッグボス”新庄剛志・監督は注目の的になっている。イチローや大谷翔平といった日本人メジャーリーガーの取材で定評のあるロサンゼルス・タイムズの名物記者ディロン・ヘルナンデス氏に聞くと、流ちょうな日本語で開口一番こう言い放った。

「まずありえないこと(が起こった)。ふざけているんじゃないのか(と、思った)。あの日本で(こんなことが起こるとは)」

「あの日本」とはどういう意味か。彼はこう続けた。

「アメリカの場合は、(監督や選手が)ふざけていても才能があれば上にいけるが、日本はどうなんだろう? 本当に新庄監督で通用するの? これがOKなの?」

 ヘルナンデス氏の母親は日本出身。言葉もそうだが、日本流の厳しい躾を受けて育ったという。日本にも何度も取材で訪れており、日本社会やいわゆる「体育会系」の世界はよく知っているからこその疑問なのだろう。監督就任はもちろん、開幕前から想像を絶する「ビッグボス・ブーム」が起きたことにも唖然としている様子だ。

 確かに、新庄はイチローと同時にメジャーリーグ(MLB)に渡って活躍し、「日本人選手として初めてワールドシリーズに出た野手」にもなった。メッツ時代のバレンタイン監督をして「MLBでベストの中堅手」と言わしめた選手だ。ヘルナンデス記者は、新庄が引退した後もタレント、実業家、クリエーターとして活躍してきたこともよく知っている。

2002年にはイチローも叶わなかったワールドシリーズを経験(AFP=時事)

2002年にはイチローも叶わなかったワールドシリーズを経験(AFP=時事)

 それでもなお、伝統も実績もある名門チームが、監督はおろかコーチ経験さえない新庄監督を抜擢したことに驚きが隠せない。しかもそれを日本中のファンが応援しているという現象は、同氏が20年間取材してきた日本球界で初めてのことだったという。

「日本の野球はちょっと宗教っぽいところがある。例えば甲子園の高校野球だ。死に物狂いで練習し、試合に勝ち抜き、選抜されて甲子園の土を踏む。彼らは母校と地元に栄誉をもたらすために必死だ。そのプロセスが大事だし、そのなかで人間性が磨かれる。

 ショウヘイが謙虚なのは、高校時代、トイレ掃除をすることで、フィールドで一番高いマウンドに立つピッチャーがどういう存在なのかを学んだからだ。ヒデキ(松井秀樹)もショウヘイも、むろん成績もすばらしいが、日本の『野球道』で体得した人間性がアメリカでもファンの好感を呼んで愛された。イチローさん(彼はイチローだけは「さん」付けにする)を見て、この人は野球以外でもきっと成功したと思う。立派なジェントルマンだ」

 そのイチローの活躍が鮮烈すぎたために、MLB時代の新庄は全米メディアではあまり注目されなかったが、メッツではマイク・ピアッツァ、ジャイアンツではバリー・ボンズといった超一流選手と交友して成長し、ヘルナンデス記者は、彼が常に「チーム・ファースト」を貫き、自分が三振してもチームが勝つと大喜びする姿が印象に残っているという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン