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スキーやスノボ競技のワックス 勝ってもメーカーが実績をPRできないワケ

スキーやスノーボードでは「ワックス」も大事なアイテム(イメージ)

スキーやスノーボードでは「ワックス」も大事なアイテム(イメージ)

 北京五輪でメダル獲得を目指すアスリートたち。華やかな舞台の裏には、選手を陰ながら支えてきた「用具職人」たちの地道な努力がある。スキーやスノーボードでは「ワックス」も大事なアイテム。雪の状態に合わせたワックスをかけられるかどうかで、競技結果が左右される。

 宮城県仙台市に本社を置く競技用ワックスメーカー「ガリウム」は、スキージャンプ、スノーボードハーフパイプ、ノルディック複合、クロスカントリーなどの日本代表チームにワックスを供給している。同社の佐藤純一営業部長は、こう説明する。

「我々は選手をサポートする担当者に指示されたワックスを供給するのが仕事です。北京五輪のチームにも当社から1人が加わっています。100種類以上の原料を組み合わせた複数のワックスを持ち込み、その日の湿度や気温を確認しながら、雪質に合わせた原料を加えたワックスを調合。その日のその時間帯のコンディションに合わせたワックスを、限られた時間内に調合して担当者に渡すという仕事です」

 知識と経験が求められるだけに、結果が出た時に“ウチのこのワックスの調合で勝利に導いた!”と大々的にPRしたくもなるはずだが、それはご法度なのだという。

「ワックスは競技結果を左右するため公言できないんです。たとえばAというワックスがすごくよかったとして、それを公言すると他国の選手がそのAを手に入れようとする。日本チームに勝ってもらいたいとサポートしているのに、私たちがPRすると、日本チームのアドバンテージがなくなってしまいます。

 だから五輪などでの実績を内外にアピールできないんです。知名度や売り上げが上がることよりも、データを集めることがメリットだと捉えています」(佐藤氏)

※週刊ポスト2022年2月18・25日号

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