水島先生のお話はページをめくってあっと驚く展開が待っています。『ドカベン』で印象的なのは因縁の土佐丸戦(高2・春の甲子園)。ホームインを狙う犬神了と衝突した里中ちゃんが落球し、拾おうとしたらなんと6つに増えていた(笑)。山田太郎が球審とぶつかって予備のボールがこぼれた結果ですが、“こんなピンチあるんだ!”って。
ブルートレイン(BT学園)戦(高2・夏の甲子園)では、夜目が利く訓練を受けたBT学園がナイターに持ち込もうと赤チンで怪我を装って試合を止めたり、キャッチャーが足当てを左足に両方着けてひとつないと探したり(笑)。暗くなるまでこれでもかと“そんなことある!?”というピンチが続くのが面白くて。笑いをちりばめた展開も大いに学びました。
【プロフィール】
ひうらさとる/1966年生まれ、大阪府出身。漫画家。1984年にデビューし、代表作に『ホタルノヒカリ』など。現在は『聖ラブサバイバーズ』(Palcy)『西園寺さんは家事をしない』(BE・LOVE)を連載中。
取材・文/渡部美也
※週刊ポスト2022年2月18・25日号