つい先日のこと。ラジオでテレフォン人生相談を聴いていたら、「これからの時代、60代から上の人が下の世代にアドバイスできることは何ひとつありません」と言い切った回答者の先生がいたの。ポンと膝を打った私は年下全般に対する見方がまるで変わったね。
で、Apple Watch7の話に戻るけど、それを買ったのも、ライター仲間・氏家裕子さん(42才)の夫のGさん(35才)の影響なの。オミクロン株の猛威が振るう前の“コロナ凪”のときに居酒屋で飲んでいたら、彼がつけているWatchが気になって仕方がない。それで「それはなんであるか」と聞いたら、いかに素晴らしいかをレクチャーしてくれたんだわ。
ずいぶん前から「動かずにいろんなことを知ったり、手に入れたりできるインターネットは高齢者向き」と言う人がいたけど、私もこの3月末に65才。堂々、高齢者の仲間入りなのよね。
で、Apple Watch7とは何か。
一言で言ったら、体にコンピューターをつけることだね。つけていれば、寝ているときの呼吸数や心拍数が出て、それによって睡眠時間がわかる。血中酸素濃度もずっと測っていてくれる。転んで起きなかったら指定のところに知らせるという機能や、興奮して心拍数が一定以上に上がったら腕に振動を伝えて知らせる機能もある。「1時間動いていません。立ち上がって1分動きましょう」とか、「あと○分歩けば今日の目標値が達成できます。がんばりましょう」などと運動指導もしてくれる。「っるせい! あんたに言われる筋合いはないわ!」と思ったら、その機能をオフにすればいい。
ここまではほかのスマートウオッチでもできるんだけど、Apple Watch7は心電図が出るのよ。心房細動の発作を起こして、小さな電極を胸に貼り付ける24時間心電図検査を半年に一度していたことがある私にとって、これは大きかった。
とはいえ、6万円近い商品。丸1週間、近所の家電量販店に通って、販売員さんに機能について聞きまくったの。「でも使いこなせなかったらどうしよう」と言うと、「コールセンターに電話をすれば教えてくれます」と言った後、販売員さんは小声で「ぼくはYouTubeを見ましたけどね」と言うの。
たしかに、YouTubeには『Apple Watch7ができる100のこと』というような動画があって、その通りにしたら、立ち上げも初期設定もできちゃった。
とはいえ、使用して10日目の私がしているのは基礎の基礎。調べたらまだまだお役立ちなことがありそうなんだよね。
そんなわけで、時代の変化は年下から授かる知恵と知識で乗り切り、ついでに刺激までいただこうとしている私。調子に乗って、新時代を大股で歩いていきたいと、そう思っている。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2022年3月3日号