団塊の高齢化で日本の人口ピラミッドは激変
介護現場で働いた経験のある淑徳大学総合福祉学部の結城康博・教授が語る。
「施設内での高齢者同士による性トラブルは多くなっています。夜中に認知症の入居者が異性のベッドに潜り込んでいたというケースも珍しくない。厚労省も対策に乗り出していますが、表沙汰にできないケースも少なくありません。
女性職員へのセクハラもある。介護施設は働き手が足りない。現在は高齢者が施設を選べるが、今後は要介護者が増え、素行が悪い人は施設から強制退去を求められるケースが増えていくでしょう」
団塊世代は性トラブルだけではなく、“パワハラ体質”も懸念材料だという。現役時代、部下を叱り飛ばしていた頃のやり方が抜けきらないことが多いからだ。
「とくに団塊世代の男性には、ヘルパーや介護職員に上から目線であれこれ指示したり、大声で叱ったりする人がいます。施設側にすれば、介護人材が不足しているのに、嫌になって辞められたら困る。性格の悪い気難しい高齢者は入居を断わられる時代になるでしょう」(結城氏)
まさに介護でも“団塊受難”の時代なのである。
※週刊ポスト2022年3月4日号