手首が早めに返ったり、極端にアッパースイングで振ったりすると、円柱部が地面と平行に倒れるのでスイングの崩れが確認しやすい
清宮覚醒のカギ
高島氏がこのバットを輸入したきっかけは、ある海外の動画だった。
「昨年の夏、米国の少年がシークエンスバットを使い、非常にきれいなスイングで内角球を捌いている動画を見たのです。『この道具は何だ?』と驚いて、取り寄せてみたんです」
少年のような「内角球の捌き」も、シークエンスバットの効果だという。
「手首が返ったスイングで内角球を打とうとすると、スペースがなく満足にバットを振れない。もしくは、当たったとしてもファウルになってしまう。手首が返らなければ、フェアゾーンに上手く捌ける確率も上がります」
プロ入り以来、ファンに覚醒が待ち望まれている清宮も、今季で5年目を迎える。昨年、自身初の一軍出場ゼロに終わった彼が、背水の陣でレギュラーを奪取し、本塁打を量産する姿は見られるのか。
そのカギを握っているのは、ビッグボスよりも秘密兵器シークエンスバットなのかもしれない。
撮影/杉原照夫
※週刊ポスト2022年3月4日号