中国の国立大学入学試験でカンニング防止のため金属探知機を使ってボディチェック。写真は2017年(Imaginechina/時事通信フォト)
ここまでは大学生の話題を中心に取り上げてきたが、それよりも下の年齢の生徒たちも含めたサービスもある。たとえば、宿題代行サービスは多数あり、以前は、メルカリなどのサービス上で出品されていたこともあったほどだ。このような行為は問題視され、文部科学省とメルカリ・ヤフオク・楽天上での出品は禁止で合意されている。
しかし現在も、宿題代行専用サービスもあり、Twitter上などでバイト感覚で引き受けている人もいる。今も「#宿題代行 料金体系一律3千円 詳しくはDMで」「レポート代行1文字1.5円 お急ぎ別料金」「卒論代行、10万円前後の良心的価格で承ります!まずはお見積りから」などの投稿が多数並んでいる。
個別に依頼すれば、習字や自由研究なども任せることができる。夏休み等の長期休暇中、受験勉強に子どもを集中させるため、保護者が依頼することもあると聞いたことがある。夏休みの宿題のなかでも時間がかかり、苦手な子供も少なくない読書感想文については、もっと安易なサービスがある。
ネット上には「走れメロス」や「こころ」、「ごんぎつね」など、読書感想文のテーマによく選ばれる文芸作品について、無料で公開されたコピペOKの読書感想文サービスがある。サイト上には、「パクリがばれた時の反省文」まで用意されている。
YouTubeを見れば、「学校貸与端末でゲームをやる裏技」「オンラインゲームでのチートのやり方」なども詳しく解説されている。
「検索すれば何でもわかる」時代の弊害
確かに検索すれば、大抵のことは解答が見つかるし、教えてくれる人もいる。自分で一から考えたり、作ったりするよりずっと楽なのは間違いない。しかし、これでは何の力も育たず、コピペ癖がつくだけだ。
最近、著名人がコピペやトレースしたという話題が定期的に問題になるようになった。初期の頃はバレなかったとしても、著名になって注目を集めてからが危険だ。ネットが普及した今の時代、誰もが元ネタを探したり、画像を反転させたりしてコピペやトレースについて検証できてしまうためだ。また、そのコピペやトレースなど、不正によって権利者が被害を被ったなど訴えれば、大きな代償を払わなければならない。
「バレていないから大丈夫」と考えるのは間違いで、ネット上での動きはすべて何らかの形で記録が残るので、本気で調べられたら逃げ場がない。コピペ問題とは少し違うが、早稲田大学のオンライン授業で不正受講をした学生100人以上が不可となった件も、すべて記録が残っていたから下された決定だ。
コピペはいけないことであり、ネットを使った不正も問題とされる行為だ。遅かれ早かれ不正はわかってしまい、罰せられることになる。そのような当たり前のことは、子どもたちに早い段階で教えるべきだし、問題が小さいうちに何も得るものがないと実感するのがよいだろう。ネットが当たり前の時代に誘惑が身近にあるからこそ、リスクをしっかりと伝えていくべきなのだ。