芸能

映画『アウトレイジ』シリーズ ポスターに入っていた「銀」の秘密

映画『アウトレイジ』のポスターには様々な工夫が

映画『アウトレイジ』のポスターには様々な工夫が

 二〇一〇年に公開された北野武監督・主演の映画『アウトレイジ』のポスターといえば、主要キャストの顔半分だけが切り取られたアップの写真が並ぶレイアウトも迫力があったが、そこに余計な文言を入れず「全員悪人」と一言だけ添えられたコピーもまた、大きなインパクトを与えた。そのポスターをデザインした中平一史氏に時代劇研究家の春日太一氏が話を聞いた。

 * * *
中平:あの「全員悪人」というコピーが一番簡潔でキャッチーでしたから、宣伝側としても「全員悪人」をどう強調させようかという意図は強くありましたね。

──その狙いは、ズバリ成功したと思います。

中平:何より目立つセンターに「全員悪人」を入れることにしました。上段の四人と下段の七人、全ての写真にかかるようにレイアウトしています。

──それによって、本当に「この全員が悪人なんだ」とパッと見て分かるようになっています。

中平:全員にかかるコピーだということが重要でした。下段の方に入れると、全員という印象が薄まってしまいますからね。

──書体については、どう考えられましたか?

中平:明朝は考えていませんでしたね。太いゴシックで、強いイメージでやろうと。それで文字間もギチギチに詰めました。

――そして、写真はモノトーン。これも迫力がありました。

中平:実は、印刷の段階で銀のインクを少し入れているんです。プロセスカラーだけの調整だと、どうしてもこのギラギラ感が出てこない。そこに銀のアミを少し足すことで、テカリが出てこういった効果が出るわけです。

──このポスターをマネしたくて、スマホのアプリを使って写真をモノクロに処理してみることがあるのですが、なかなか同じ迫力が出ないのはつまり……。

中平:こちらには銀が入っているからなんです。

── 一方で「アウトレイジ」というタイトルはピンク色ですね。

中平:最初は赤だったんです。でも、赤だとダイレクトに血の色を連想させてしまうということで「ちょっと怖い」となりました。それだったら思い切ってピンクにふった方がやくざ映画としては斬新なものになると思いました。

関連記事

トピックス

ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン