中原さんは2019年に日本人女性で初めて「世界記憶力グランドマスター」の国際資格を取得
「記憶の学校」の講師を務める中原好さんも同意見だ。
「私は自己紹介するとき、『お好み焼きが好きな中原好です』と言います。すると相手に、お好み焼きがジュージューと焼かれているところやかつおぶし、ソースの香ばしい香りがイメージされ、名前も同時に覚えてもらいやすくなる。2度目に会ったときも、『お好み焼きの好ちゃん』と思い出してもらえます」(中原さん・以下同)
名前を覚える最大の近道は、相手に関心を寄せることだ。
「たとえば、俳優の新田真剣佑さんは、名前だけを見ると覚えにくいタイプです。しかし、初めてテレビで見た瞬間、“キリっと整った顔立ちのイケメン!”と私の中でイメージと名前が定着し、一発で覚えました(笑い)。好奇心を持つことによって、より記憶しやすくなるのです」
逆に言えば、名前がなかなか覚えられないのは、相手に興味が薄い証拠だ。脳神経科学者の枝川義邦さんはこう話す。
「名前を覚えて呼んでもらうことに、嫌な顔をする人はいません。さらにそこから、どんな食べ物が好きだったとか、出身地はどこだったとかを覚えると、より仲を深めるきっかけになる。人間関係を円滑にするためにも、記憶力を高めることは多くのメリットがあります」
人と会って、話して、名前を覚える。これ以上に魅力的で、人生の役に立つ脳トレはないはずだ。
※女性セブン2022年3月17日号