将棋めしもしっかり追う(時事通信フォト)
将棋めしを報じる観戦記者、“メディアスクラム”の舞台裏
将棋めしは対局の行く末を左右する重要な一手だけに、各メディアが一斉に扱うニュースとなっている。観戦記者たちは、棋士の勝負めしをどのように取材しているのだろうか。
将棋会館での対局は午前10時にスタートする(タイトル戦は9時)。お昼休憩は12時からの40分間。そこで棋士が食すメニューを、10時30分前後にスタッフが尋ねに来る。
「ここで初めて、棋士がその日に注文するお店とメニューを知ることができます。29連勝の頃は、届いた食事を一時的にカメラの前に開放し“撮影タイム”が設けられました。それよりも先に撮影しようと、お店が分かったらすぐに記者を派遣して、出前が運び出される様子をカメラにおさめるメディアもあった。観戦記者の中には、棋士と同じメニューを注文して控室で食べ、記事に活かそうとする人もいます」(ある観戦記者)
地方で行なわれるタイトル戦では、注文を受けた店舗がメニューの写真を将棋連盟に提供し、各社が一斉に報じるケースもある。午前・午後のおやつや夕食もとる対局の場合は、このルーティーンを繰り返すことになる。
※週刊ポスト2022年3月18・25日号