なるほど、情報提供者は「国際結婚を希望してをりますが」と書いていた。国際結婚の結婚相談所やマッチングアプリに登録していたのかもしれない。そこから情報が漏れたか、アプリそのものが誘引のための「カモ」寄せだったのかもしれない。元ブローカー氏にそのリンクを送り、見てもらった。
「成婚料はもらわない、結果だけ知らせてはおかしいと思います。書いてあることを読めば、成婚までに100万円以上かかるのではないでしょうか。もちろん写真の女性たちとは会えないどころかお金をとられるだけだと思います。入会金と年会費を払い続けて結局どこの誰かもわからない美女の写真を送られるだけとか、それは入会金と年会費を払ってもアメリカの会社の紹介ばかり送りつけられる海外の就労詐欺がよくやる手口です」
あくまで「似ている」というだけで本当に詐欺かの確証はないが、まあ常識的に考えてもおかしな話であることには違いない。古い話だが筆者の知る出会い系、マッチングサイトにもサクラ詐欺どころか入会金だけ振り込ませる手口、マッチングアプリの利用手数料と称して延々と請求してくる手口など枚挙にいとまがない。
「運営が日本人とも限りません。むしろ海外のほうが多いと思いますよ」
それは筆者も思う。個別の国名は書かないが、インターネット詐欺はいくつかの特定の国からの発信に集中している。中華圏はもちろん旧ソ連圏やカリブ海周辺の小国も多い。もちろん、それらの地域や国々が悪さをしているとは限らず、ダミー会社やサーバーを経由しているだけという場合もある。現地で食い詰めた日本人が加担させられていることも。
料金が明確で契約書も精読を
1990年代に結婚相談所に勤めていたことのある元女性スタッフにも話を聞く。
「昔の話ですが、『東南アジアの女性は貧乏だから、農家の田舎長男でも若い女の子がお嫁に来ますよ」って、そんな営業をしていたのは事実です。もちろん業界大手でしたから、ちゃんと紹介はしていましたし結婚できたカップルは多く、詐欺ではないのですが。内戦や貧困だから20歳以上も年が離れていても嫁に来るだろうって感覚で営業していたのは事実ですね。実際に来ましたし。その後は知りませんが」
もちろん年が離れていようと最初は生活目的であろうと恋愛は自由、きっかけもまた人それぞれとしか言いようがない。
「でもよくやるなという感じです。ウクライナが戦争で大量の避難民が出ている状態で婚活斡旋なんてね」