大豆もひじきも、日本では積極的に食べる人が多い
「馬肉」を生で食べる文化があるのも日本だけだろう。
「馬刺しは、低カロリー、低脂質、高たんぱくで、とても栄養バランスが優れている肉です。しかし海外では、『あんなに優しい目をした動物を生のまま食べるなんて!』と軽蔑されます」
逆に、「かき」は、調理して食べると白い目で見られる。フランス在住のジャーナリスト、羽生のり子さんは言う。
「フランス人にとって生がきはごちそうで、クリスマスパーティーには欠かせません。生で食べるのが当たり前で、それ以外の食べ方はしない。焼きがきやかきフライといった料理はありません。『食中毒予防で火を通す』と言っても、呆れられるだけです」
海外では非常識だから、長きにわたって日本の食を支えてきたこれらの食材を控えるべきだろうか。管理栄養士の清水加奈子さんが言う。
「たとえば乳酸菌でも、農耕民族である日本人には、動物性より植物性の方が体に合うといわれています。欧米人が必要ないと思っている食べ物であっても、それらが日本人の病気を抑制し、健康を支え、現代の長寿大国につながっているかもしれない。日本古来の食文化を守ることは大切なことです」
ただし、どんなものでも食べすぎはリスクとなる。日本の文化、他国の文化を尊重しながらおいしく食べよう。
※女性セブン2022年3月31日号