国内

5分間で終わる衆議院本会議は必要? 惰性で繰り返される「慣例」に異議あり

(写真/JMPA)

衆議院本会議は必要?(写真/JMPA)

 明らかに時代遅れで不必要なのに、なぜか何十年も続いている──そんな惰性で繰り返される「慣例」に疑問を抱くのは、女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子。オバ記者が「慣例」に異論を投げかける。

 * * *
 3月末、私は65才になった。高齢者の仲間入りだと承知していたけど、「敬老」とまで言われると、「へ? 誰のことですか」となる。

 私が住んでいる東京・千代田区から「敬老入浴券を申し込みますか?」という通知が届いたのよ。月に約4枚の割合で、年間最大44回、銭湯に無料で入れる券を発行してくれるというありがたい申し出。さすがは人口約6万7000人で23区内最少人口の区。これだから離れられないのよと思いつつ、心は晴れない。「敬老」って二文字がどうしてもざらつくのよ。

 だっておかしくない?

 私は毎日、目が覚めたら「オッケーGoogle、音楽かけて」とスマートスピーカーに声をかけ、スマホでウクライナ情勢をはじめとしたニュースをチェックする。YouTubeで、ひろゆきやホリエモン、話題の暴露系YouTuber・東谷義和のガーシーchも見る。日銭を稼ぐ暮らしで、ほんの少しだけど納税もしている。20才のときと変わらぬ生活だ。そんな私に「敬老」だと?

 がしかし、申し込み用紙を破り捨てられるかというと、それはまた別。無料のものは街頭で配っているポケットティッシュだって素通りできない私は、気がつくと往復はがきの「申し込みます」に○をつけてポストに入れていた。

 で、考えたわけよ。なんで私は「敬老」に傷ついたのかと。それで思い至ったのがイメージの中の「老人」なの。笑っちゃうけど、それは青島幸男が演じた「意地悪ばあさん」なんだよね。頭に白髪のお団子をのせて、地味な着物を着てガハハと笑っている。そんな年寄りは昭和40年代に消えていたはずなのに、子供の頃に頭の中に刷り込まれたものってそう簡単になくならないのね。頭ではなくて体の方から自分の「老」を見ると、これはなかなかどうして、見過ごせないことがいくらでも出てくるんだけど、直視したところで面白くないから見て見ぬふりをする。

 と、ここまでは私事だけど、見回せば、現実から目をそらして当たり前のように、惰性で繰り返されていることって結構あるのね。

 4年前から衆議院議員会館でアルバイトをしているんだけど、国会議員がしていること、役人がしていることで、「なんで?」と思うことがよくあるんだわ。

 アルバイトの私の仕事は、電話番と来客へのお茶出し。ボスである田所嘉徳代議士から広報物の校正を頼まれることもある。ものすごく忙しい日もあるし、そうでない日もある。その忙しい日に限って、事務所の入り口にスーツ姿の20代、30代のお役人が、茶封筒片手に「○○省です」「××省です」と現れるのよ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ポジティブキャラだが涙もろい一面も
【独立から4年】手越祐也が語る涙の理由「一度離れた人も絶対にわかってくれる」「芸能界を変えていくことはずっと抱いてきた目標です」
女性セブン
『君の名は。』のプロデューサーだった伊藤耕一郎被告(SNSより)
《20人以上の少女が被害》不同意性交容疑の『君の名は。』プロデューサーが繰り返した買春の卑劣手口 「タワマン&スポーツカー」のド派手ライフ
NEWSポストセブン
河村勇輝(共同通信)と中森美琴(自身のInstagram)
《フリフリピンクコーデで観戦》バスケ・河村勇輝の「アイドル彼女」に迫る“海外生活”Xデー
NEWSポストセブン
木本慎之介
【全文公開】西城秀樹さんの長男・木本慎之介、歌手デビューへの決意 サッカー選手の夢を諦めて音楽の道へ「パパの歌い方をめちゃくちゃ研究しています」
女性セブン
大谷のサプライズに驚く少年(ドジャース公式Xより)
《元同僚の賭博疑惑も影響なし?》大谷翔平、真美子夫人との“始球式秘話”で好感度爆上がり “夫婦共演”待望論高まる
NEWSポストセブン
いまや若手実力派女優の筆頭格といえる杉咲花(時事通信フォト)
《大好評ドラマ》『アンメット』杉咲花を歌で支える女性アーティストたち 木村カエラらのCMはドラマと“最高のコラボ”
NEWSポストセブン
綾瀬はるかが結婚に言及
綾瀬はるか 名著『愛するということ』を読み直し、「結婚って何なんでしょうね…」と呟く 思わぬ言葉に周囲ざわつく
女性セブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
やりたいことが見つかると周りがみえなくなるほど熱中するが熱しやすく冷めやすいことも明かした河合優実
大ブレイクの河合優実、ドラマ『RoOT/ルート』主演で感じる役柄との共通点「やりたいことが見つかると周りが見えなくほどのめり込む」
NEWSポストセブン