小児に成人用のワクチンを接種してしまったミスも報じられている(時事通信フォト)
「この結果は許容範囲内だと考えます。発熱や痛みといった副反応は報告されていますが、薬で対応でき、重篤な副反応は報告されていません。少なくとも現段階では接種で大きなリスクはないと考えてよいでしょう」(高橋医師)
ただ、体格差や人種差もあるので、日本の小児にそのまま当てはまるかどうかは不明だ。
そこで、函館市の深瀬医院では、小児の副反応について独自に調査を実施している。同院で1回目のワクチンを接種した5~11歳の小児327人(男児167人、女児160人)に聞き取り調査をしたところ、副反応が発生したのは、男児48%、女児58%。接種部位の痛みを訴えた男児が40.7%、女児が50.6%。37度以上の発熱が男児6.0%、女児5.6%。頭痛が男児4.2%、女児3.8%。倦怠感が男児3.0%、女児1.9%だったという。同院の二木克明副院長が語る。
「昨年、当院で接種した成人の1回目接種における副反応の調査だと、男性41.3%、女性46.6%で、今回の小児接種と大きな差はありませんでした。特徴的なのは発生率は変わらないものの小児接種の副反応はかなり軽微で済んでいます。男児女児ともに発熱率においても非常に低く、発熱した子もほとんどが37度台でした。2回目接種については、まだ回答が少ないですが、現時点で重篤な副反応は確認していません」
※週刊ポスト2022年4月22日号