芸能

激変した『どうぶつ園』ほか1人勝ちで広がる『オモウマい店』のコンセプト

オモウマい店

『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』のコンセプトが拡大中!(公式HPより)

 この春、多くのテレビ番組がリニューアルされたが、業界で注目されているのはある番組に似たコンセプトの番組が増えたこと。その番組は人気バラエティの『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ・日本テレビ系)だ。なぜこの番組のコンセプトが今広がっているのか? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 9日、土曜19時台に放送されていた『I LOVE みんなのどうぶつ園』(日本テレビ系)がリニューアルし、『嗚呼!!みんなのどうぶつ園』という番組名に変わりました。

 放送を見て驚かされたのは、その名前以上に大きく変わった番組内容。これまでは人気芸能人がさまざまな動物とふれ合う様子を放送し、近年では保護活動に関する企画が大半を占めていました。しかし、今回のリニューアルで「日本全国の動物が好きすぎる“ガチ恋さん”をご紹介」「動物好きに悪い人はいない。面白い人はいる」というコンセプトに一変したのです。

 このリニューアルによって番組の主人公は、芸能人から動物好きの一般人=ガチ恋さんに変わりました。かわいらしい動物の映像こそ健在なものの、それと同等以上にガチ恋さんの姿にスポットが当てられているのです。

 動物に対するガチ恋さんの「情熱」「やりすぎ」を見ていて思い浮かんだのは、『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』(中京テレビ・日本テレビ系)。同番組のコンセプトは、「オモてなしすぎでオモしろいウマい店を発掘する」ですが、どちらも一般人をフィーチャーするとともに、取材は芸能人ではなくスタッフが行っています。

「一般人が一般人を取材し、その映像が笑いを交えたライトドキュメンタリー」であることは同じ。しかし、『オモウマい店』を思わせる構成・演出は、『嗚呼!!みんなのどうぶつ園』だけではなかったのです。

現在の視聴者に最も合うコンセプト

『嗚呼!!みんなのどうぶつ園』と同じ9日、『世界一受けたい授業』もリニューアルされ、新コーナー「噂のヤバイ先生File」がスタート。これは「ある界隈で『ヤバイ』と話題になっている新進気鋭の先生や学説にフォーカスする」というコンセプトであり、有名人を招いた企画ではなく、あくまで一般人を主人公に据えたコーナーです。

 次に『沸騰ワード10』は、この1か月あまり「取り憑かれた芸能人」などのタレント企画をほとんど放送せず一般人をフィーチャー。伝説の家政婦・志麻さん、タケノコ王、伝説のはんこ店主vs名字研究家という人気企画を連続投入したほか、宝塚密着、図書館司書など、一般人が主人公の企画を立て続けに放送しています。

 さらに特番では、9日に「記者が主人公」の新感覚報道バラエティ『有働由美子とフカボリ記者』、3月19日に「匠」が今しか見られない絶景&グルメ旅を教える『推し匠さんの幻ツアー』を放送。どちらも一般人の「情熱」「やりすぎ」がコンセプトの特番であり、後者の自動販売機企画は『オモウマい店』でも扱われたネタでした。

 これらはすべて『オモウマい店』と同じ日本テレビ系の番組ですが、他局では昨秋スタートの『ウラ撮れちゃいました』(テレビ朝日系)が似たコンセプトの企画を放送しています。

 なぜこれほど『オモウマい店』のコンセプトに似た企画がフィーチャーされているのか。その理由は、『オモウマい店』が「昨年の新番組で唯一成功した」から。つまり、『オモウマい店』は現在の視聴者嗜好に最もフィットする番組であり、マーケティングの観点で言えば、「似たコンセプトを狙った商品を手がける」のは、テレビ業界に限らず当然の戦略でしょう。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン