中川邦史朗氏の師匠である故・林邦史朗氏
──そうした説得力のある合戦シーンを作るためには、具体的にどのような工夫をなさってきましたか?
中川:たとえばクローズアップしたときに、単に刀をチャンチャンとぶつけ合っているだけではなくて肉弾戦を入れたりするわけです。相手によって、今でいう柔術や合気道の技で足を引っかけて倒すとか。
そういうのをところどころに入れて、メリハリとまでは言わないですが、画として、どこを見てもみんな同じにならないようにというのを考えます。
【プロフィール】
中川邦史朗(なかがわ・くにしろう)/1971年生まれ、北海道出身。若駒プロ所属。大河ドラマ『真田丸』、時代劇『陽炎の辻完結篇』、新連続テレビ小説『ちむどんどん』の殺陣指導を担当。
【聞き手・文】
春日太一(かすが・たいち)/1977年生まれ、東京都出身。映画史・時代劇研究家。
※週刊ポスト2022年4月22日号