いつか必ず来る大地震の備えを(時事通信フォト)
「次の南海トラフ巨大地震が起きれば、東日本大震災の10倍以上である32万人ほどの犠牲者が出るといわれています。津波が押し寄せる可能性が高く、水路の多い大阪、低地にある名古屋といった大都市は人口が多く、被害がより深刻になると考えられます」
京都大学名誉教授で地球科学者の鎌田浩毅さんもこうみる。
「東日本大震災の被害総額は20兆円といわれますが、南海トラフ巨大地震の被害想定額は10倍以上の220兆円。日本の国家税収の3〜4倍ほどの額が吹っ飛ぶことになる。地震や津波だけでなく液状化による被害も深刻になるでしょう。
さらに、長期にわたって電気・ガス・水道などのライフラインが止まること、医療が行き渡らないこと、ゴミ処理などの衛生管理が行き届かないことなどが想定され、感染症の蔓延といった間接的な被害も懸念されます」
さらなる悲劇は、南海トラフ巨大地震の発生時、相模トラフという別の震源域と連動して、「スーパー南海地震」と呼ばれる超巨大地震に発展する可能性が指摘されるのだ。被害は茨城県沖から東海、近畿、沖縄や台湾にまで至るという。「どうせ来ないから」とは決して考えず、身を守る準備が必要だ。
※女性セブン2022年5月5日号
日本列島は4つのプレートの上で構成され、陸のプレートが海底のプレートに引き込まれている。その引き込みが限界に達すると陸のプレートが一気に反発し、地震が起きる
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