元巨人・槙原寛己投手フォームにも「L字」が。90年代の巨人投手陣を支えた。愛称は「ミスターパーフェクト」(写真/共同通信社)
五十嵐氏もこの投げ方に挑戦はしてみたという。
「僕には合わなかった。やれと言われてやれるフォームじゃない。スムーズに連動できるかなど、自然な取り組みの中で選手がたどり着いた結果なんだと思います。普通リリースの瞬間は『むっ』と力んだ表情になる。顔が力むと首から肩にかけて強ばってしまうんです。ところが、佐々木投手の場合は涼しい顔をしていますよね」
まだまだ余力を残す怪物が、前人未到の170キロを投げる日はすぐそこに来ている。
【プロフィール】
佐々木朗希(ささき・ろうき)/2001年11月3日生まれ、岩手県陸前高田市出身。県立大船渡高校を卒業後、2019年のドラフト1位で千葉ロッテマリーンズに入団。4月10日に28年ぶりの完全試合と史上初の13者連続奪三振を達成した。
五十嵐亮太(いがらし・りょうた)/1979生まれ、北海道出身。1997年ドラフト2位でヤクルトに入団。2003年にクローザーに転向し、2004年には当時の日本人最速タイとなる158キロを計測。その後2009年にメジャー移籍、2013年に日本球界復帰を経て、2020年に現役引退。現在は野球解説者として活動。
取材・文/柳川悠二
※週刊ポスト2022年5月27日号