芸能

TV界で言われる「4630万円誤送金は”数字”が取れる」、『ゴゴスマ』は視聴率上昇

はたして4630万円は返ってくるか(阿武町役場)

ワイドショーでは連日、特集。はたして4630万円は返ってくるか(阿武町役場)

 ワイドショーなどで連日伝えられている4630万円の誤送金事件。18日には田口翔容疑者が逮捕された。各局こぞって長尺で報じており、とりわけ力を入れて伝えていた『ゴゴスマ~GOGO!Smile~』(CBC・TBS系)は視聴率が上昇。なぜこれほど視聴者の注目を集めるのか? コラムニストで放送作家の山田美保子さんが分析する。

 * * *
 山口県阿武町がコロナ関連の給付金4630万円を誤って一人の男に振り込んだ問題は、ここ数日、約2時間ぶち抜きで報じた『ゴゴスマ~GOGO!Smile~』を筆頭に、連日ワイドショーが長尺で報じていた。どうやらこのニュース、数字をもっていたらしい。

 その視聴率が話題になったのは、12日放送の『ゴゴスマ~』が、関東地区の世帯平均視聴率(速報値)で5.6%を記録。同時間帯でトップになったことが翌13日、ビデオリサーチの調べでわかり、スポーツ紙のWEB版などに取り上げられたのだ。

 御存知のとおり、真裏には『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ・日本テレビ系)があり、これまでにも『ゴゴスマ~』は何度か視聴率で『~ミヤネ屋』を抜いたことがネットニュースになった。が、その後はまた『~ミヤネ屋』の優勢が続いたのに、今回は、『ゴゴスマ~』=JNNが取材力でもNNNをリード。阿武町役場から中継を入れたり、町長の会見をすぐに流したりと番組中に「速報」を連発している。18日には、「口座残高 6万8000円 男性(24)の出納記録」なるサイドスーパーと共に、通帳をエクセルで打ち直したと思われる口座の記録をフリップにして出していた。

「なぜ返さないのか」石井アナのコメントに共感も

 コメンテーターらがその入手先や「こんな個人情報を出していいのか」と訝るなか、MCの石井亮次アナは、フロアディレクターに確認をとりながら、進行していくのだ。石井アナは、多少ぐいぐい進行しても視聴者の反感を買わない得なキャラクターであるうえ、フリーアナではあるものの独立してから2年。出身局の番組をそのまま続けているせいもあるのか、庶民というスタンスがとれる。「これ、税金ですよ」「なぜ返さないのか」といった石井アナのコメントは視聴者にストレートに伝わるのかもしれない。同アナはこのニュースのお陰で、さらに人気を上げたように思う。

「お風呂に入るから1時間くれ」「今日は手続きしない」「後日、公文書を郵送してほしい」から「ネットカジノで使ってしまった」まで、当該の男の言動を繰り返し伝える石井アナと、その説明にいちいち新鮮に驚くレギュラーコメンテーターたち。弁護士や元・代議士もいるが、松本明子、岡田圭右、大久保佳代子、鈴木紗理奈、千原ジュニア、ユージら、専門家というよりは視聴者に近い目線や感覚をもつコメンテーターが多いのも、このネタに限っては視聴者が『ゴゴスマ~』にチャンネルを合わせた理由だろう。

 ちなみに前述の出納記録は、当該の男の弁護士により提出されたもの。同時間帯、『~ミヤネ屋』には、阿武町議会議員やメガバンクの元支店長ら、コメンテーター以外の専門家をリモートで繋いでいたのだが、出納記録が画面に出てきたのは『ゴゴスマ~』よりもだいぶ遅く、しかも、慌ててコピーしてフリップに貼り付けたようなモノだった。やはり、このネタに限っては『ゴゴスマ~』に軍配が上がりっぱなしのようである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
「参政党パワー」の正体とは(神谷宗幣・代表)
叩かれるほどに支持が伸びる「参政党パワー」 スピリチュアリズム勃興の中で「自分たちは虐げられていると不安を感じる人たちの受け皿に」との指摘
週刊ポスト
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこが自宅マンションで亡くなっていることがわかった
遠野なぎこさん死去…「絶縁状態」と言われていた親族が訃報発表に踏み切った事情 知人が明かす「ずっと気にかけていた」本当の関係
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン