多くの出演者が練習を重ねたのは、沖縄ことばだ。今作では、「あきさみよー」(なんてこった)、「で〜じまーさん」(とってもおいしい)など、沖縄ことばが頻出する。スタジオでは撮影直前までスマートフォンで、正しいイントネーションが吹き込まれた音源を再生する姿がチラホラと見られるという。過去に『ちゅらさん』(2001年)、『ごちそうさん』(2013年)などの作品にも参加してきた制作統括の小林大児さんが、沖縄ことばが頻出する意図について話す。
「意識したのは、21年前の『ちゅらさん』のときよりも沖縄ことばの数を増やしたが、解説やテロップはなるべく少なくしたこと。
いまは、ドラマを見ていて、言葉の意味がわからなくてもスマートフォンで気軽に検索ができる。物語の展開や出演者の表情で沖縄ことばの意味が伝わることもあると思います。わかりやすさに配慮しすぎるよりも、沖縄らしさが色濃い方が、見ているかたにより楽しんでもらえるのではと考えました」
タイトルとなった『ちむどんどん』はワクワクするという意味の沖縄ことばで、ちむは「心」を指す言葉だという。
「ちむは、『ちむどんどん』という使われ方に限りません。たとえば、『ちむぐりさん』と言えば、他人が困っているところを見て自分の心も苦しくなるという意味です。沖縄の言葉には、人間の優しさがさりげなく潜んだ言葉が多くあります。こういった優しさがドラマのなかのせりふを通して伝わればいいなと思います」(前出・志ぃさーさん)
※女性セブン2022年6月9日号