100万円分の玉ねぎとはいったい…(写真は西村氏の政治資金収支報告書)

100万円分の玉ねぎとはいったい…(写真は西村氏の政治資金収支報告書)

玉ねぎ代だけで100万円

 西村氏は政界きっての「贈り物マニア」として知られる。同氏の資金管理団体「総合政策研究会」の政治資金収支報告書を見ると、「政治活動費」の中に多額の「土産代」が計上されている。

 コロナの感染拡大が始まった2020年の土産代は54件・総額約450万円、コロナ前の2019年は約825万円、2018年は約895万円と政治活動費の2割近くを占める。支払い先は百貨店や洋菓子店、アクセサリー店など様々だ。

 誰に、どんな目的で土産を渡したのかは報告書では一切わからない。

 その中で目立つのが地元選挙区の店だ。淡路ビーフの専門店、水産会社、和菓子店などの他に、毎年、梅雨の時期に淡路の農協の子会社で玉ねぎを販売している「アグリアイランド」という会社に115万円(2020年)、111万3000円(2019年)、96万9000円(2018年)と100万円単位の支出があった。

 政治資金で玉ねぎを買い、議員に配っているのではないか──。本誌・週刊ポスト記者は淡路に飛んだ。

 玉ねぎ農家が多い南あわじ市は収穫の真っ最中。西村氏のポスターが町のあちらこちらに貼られていた。西村氏にとって農家は大票田のようだ。

 地元農家の女性は、「政治のことはよくわからないけど、西村さんは淡路の玉ねぎを宣伝してくれる。地元の中学の修学旅行は東京で国会見学、その時に生徒全員が西村さんと握手してもらうので、うちの子や地元の若い人たちはみんな顔を知っていますよ」と語る。

 贈答用の玉ねぎについてアグリアイランド社は「担当者不在」と取材に応じなかったが、農協関係者はこう明かした。

「西村先生は、以前は農協子会社のアグリアイランドから毎年贈答用の玉ねぎを買ってくれていました。その会社が2年前に販売をやめたので、昨年からは農協が設立した産地直売市場(店舗)から購入してくれます」

 西村氏が今年、議員会館で配った玉ねぎの段ボール箱には、確かにアグリアイランドではなく、産地直売市場の名前が印刷されていた。産地直売市場の支配人にも話を聞いた。

「(西村氏の)事務所の方が一括で買いに来られて、うちから東京の事務所に発送しました。金額は経理の者が算出しているのでわかりません。うちの前はアグリアイランドさんの扱いなので、前のこともわかりません」

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