「正直、ずっと世帯視聴率狙いで50歳以上に焦点を絞った番組作りをしてきましたから、急に若者向けにしようとして混乱しています。例えば、2010年代、TBSの金曜ゴールデンタイムは『爆報!THE フライデー』『ぴったんこカン・カン』『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』が高齢者狙いで高い世帯視聴率を獲得していました。
しかし、局の方針が変わって、コア視聴率の取れない『爆報』は終わったし、『金スマ』は以前のスタイルを辞めて若者の視聴者を狙っているが、うまく軌道に乗っていない。ターゲットを若者に変えたことで、今までの視聴者が離れてしまい、世帯視聴率も悪くなった。世帯はもう局内で重視されてないですけど、世帯もコアも悪いとなれば現場の士気は上がってこない」
特番を連発せざるを得ない月曜の現状
安住紳一郎アナが朝の帯番組を始めたことで『ぴったんこカン・カン』は終了し、『金スマ』は不振が伝えられており、TBSは金曜の番組編成に注目が集まっている。しかし、実はそれ以上に深刻なのは月曜のゴールデンタイムだという。
「今は19時から『アイ・アム・冒険少年』、20時から『クイズ!THE違和感』、21時から『CDTVライブ!ライブ!』という並びですが、タイムテーブル通りの放送はほとんどありません。数字が取れないので、特番を連発せざるを得ないんです。それでも、視聴率に結びついていません。
例えば、5月16日は19時からの2時間スペシャル『アイ・アム・冒険少年』が世帯3.2%、21時からの『CDTVライブ!ライブ!』が世帯3.5%でした。その2週間前は同じ並びで世帯2.5%、世帯3.7%です。世帯がこれだけ低ければ、当然コア視聴率も低いです。他の特番だと、もう少し高くて世帯5~7%台の時もありますけど、コアで他局と戦えるレベルにはあまりならない。だから、テコ入れとして『クレイジージャーニー』を月曜21時台に持ってくるわけです」(前出・TBS関係者。以下同)
秋の改編では、『CDTVライブ!ライブ!』が現在の月曜21時台から20時台に時間帯が繰り上げられる。
「『CDTVライブ!ライブ!』はコア視聴率を取ろうと若年層に人気のある歌手を出演させていますが、それも数字につながっていない。若者は好きな歌手の歌はYouTubeやサブスクなどネットで見たり聞いたりしていて、わざわざテレビで見るという習慣がないのかもしれません。主に世帯視聴率3~4%台で普通なら打ち切りになってもおかしくないですが、大型の音楽特番のためアーティストとの関係性を保つ意味合いもあって、ゴールデンタイムに残している面もあるでしょう」