屋内での熱中症死者の大半はエアコンを使用せず
熱中症の予防ポイントとして、上医師、森氏ともに口を揃えるのが「湿度管理の重要性」だ。
人間の体には、汗が蒸発する際の気化熱で体温を下げる働きがある。湿度が高い環境では汗をかいても蒸発せず、体の中に熱がこもりやすくなって熱中症を発症しやすい。
熱中症危険度は、室温28度の場合、湿度70%で「警戒レベル」、71%以上では「厳重警戒レベル」となるが、湿度50~60%なら危険度は下がる。
「食事の煮炊きでも部屋の湿度は上がります。外が暑いと、窓を開けても温度や湿度は下がりません。そんな時は上手にエアコンを利用してほしいですね」(森氏)
近年は、部屋の温度を下げ過ぎずに除湿ができる「再熱除湿」機能付きエアコンも増えてきた。今年の夏は節電要請などでエアコンを使うことが憚られる状況になると考えられるが、酷暑の室内における熱中症予防には、エアコンと折り合いをつけて付き合うことが欠かせない。
※週刊ポスト2022年7月8・15日号