若手親方が言う。
「もともとは将来、高砂部屋を引き継ぐのが既定路線でした。今も状況としては、先代である元・朝潮が権利を持つ『錦島』の株を継承し、将来的には『高砂』を継いでいる元・朝赤龍と名跡交換して部屋を継ぐのが自然な流れです。しかし、問題は今回の1年間の謹慎という“前科”がどう影響するかです。
5月場所後に引退した元小結・松鳳山は協会に残らず廃業しましたが、これは2010年の野球賭博問題に関与しながら申告せずに2場所出場停止になった過去が影響したといわれている。元大関という肩書きがあるとはいえ、過去最長の6場所の出場停止ですから、よほどの結果を残さない限り、朝乃山が親方として協会に残れるかは不透明です。協会内には朝乃山に同情的な親方もいるが、現在の執行部には厳しい見方をする幹部が多い」
今も朝乃山の「引退届」は協会が預かったままであり、今後、協会に迷惑をかける行為があった場合に未受理の引退届が受理される。処分当時、朝乃山はその旨を了承する誓約書を提出している。
復帰後も常に背水の陣で土俵に臨まなくてはならない朝乃山。どのような相撲を見せるのか、まさに見ものである。
※週刊ポスト2022年7月22日号